ァイブスター物語 19巻分(予定)連載時感想

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ファイブスター物語 感想

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17巻 18巻

変更された名称、設定
ファティマ一覧

2023年11月12日(日)

○「ファイブスター物語」感想(月刊ニュータイプ2023年12月号)

・扉は「エンペラーズ・ハイランダー」の服を着たクリスティンのイラスト。
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(本編)
「第6話 アクト5-3 エンペラーズ・ハイランダー」

・ナカカラ王国。フィルモア帝国ナカカラ離宮。
 フィルモアの多くの王族や騎士たちが集まっている。
 フィルモア皇帝ダイ・グの容体はクープ博士によると今晩いっぱいだという。

・皇帝暗殺を企てた元老はナイアスに罪を全部被せて死刑。
 ナイアスのもえぎ騎士団と氷グループも解散。闇に葬られた。
 帝国騎士の信頼厚いノイエ赤リーダーのブラウマ・イクはおらず
 離宮の警護はバルバロッサの騎士たちに任されている。

・ベッドで眠るダイ・グの側には祖母の慧茄とクープ博士。
 ダイ・グの言葉のおかげでフィルモア帝国によるナカカラ占領はなくなったが
 フィルモアに大きな貸しを作りダイ・グが亡くなればナカカラはいずれ制圧される。

・クリスを探すアルカナ・ナイトのニオとブルーノ。
 離宮の外れで落ち込んでいるクリスを見つける。
 ニオは彼女にダイ・グの側にいるように促すが元老院の命令により入れてもらえなかった。

・元老院たちが集まりダイ・グの後継について話し合う。
 今の帝国にダイ・グの代わりになる者はいない。
 だから今は次期皇帝は決めずに当面の間アドー王が「執権」をもってまとめてもらう。

・雨が降る離宮に「円卓の騎士」たちが現れる。

 続く。
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・「FSSオンラインくじ」
 アクスタと特製ブックカバーが気になるが20連のおまけとなるとお金がかかる。
 バランシェ・ファティマ全員集合は無理だったか。基本新設定になって以降描かれたファティマかな。
 「ブライド」モードのバクスチュアルは大きすぎて無理か
 と思ったがフォーカスライトや静のアシリア・セパレートが結構幅を使ってる。

・NT9月号の扉で18巻が「緋色の雫」「トラフィックス4」、
 19巻が「エンペラーズ・ハイランダー」「トラフィックス・ターミナル」と書いてあったので
 今月から19巻分に入ったと思われる。

・「エンペラーズ・ハイランダー」。
 イラストはデザインズ3の表紙を飾った「帝国第一正装」ものだが
 カラーがデザインズ5の「エンペラーズ・ハイランダー」のものになっている。

・フィルモア帝国とナカカラ王国の状況を簡単に振り返ってみる。
 先のナカカラ防衛戦はフィルモア帝国がボォス星のナカカラ王国の領地を手に入れるために
 魔導大戦において敵対するバッハトマと共謀し枢軸軍にナカカラ王国を一斉に進軍させ
 ナカカラを救援するという体でフィルモアがナカカラを占領するというマッチポンプな計画であった。
 そこに余命幾ばくもないフィルモア皇帝ダイ・グとハイランダーのクリスティンが戦死すれば
 よりナカカラを占領する大義を得てスムーズに計画が進むはずだったのだろう。
 だがダイ・グとチャンダナが命をかけて星団全通信を乗っ取りナカカラとの友好宣言をしたことで
 フィルモアは表立ってナカカラを占領することができなくなった。
 しかしナカカラ王国の騎士団は陰謀の情報に翻弄され身動きが出来なくなり
 ナカカラを守るダイ・グを見殺しにする形になってしまった。
 フィルモアに大きな借りができたナカカラは発言力が減りダイ・グが亡くなれば
 ゆっくりだがフィルモアに制圧されていくだろう…という流れだ。
 このままだとダイ・グの言葉は意味のないものになってしまう。
 そこでダイ・グの言葉を聞いた「三色の血」を持つジークボゥが決断し動くことになる。

・落ち込むクリスを励ますニオ。
 彼女は13巻でダイ・グと詩女フンフトの婚姻の話が出た時酔っぱらっていたので
 自分がダイ・グの妻になるなんて夢想したこともあったかもしれない。
 ニオは幼い頃からダイ・グの侍従として過ごし慧茄の護衛もしてきたので
 クリスの耳飾りの意味についてはよく知っていた。
 だからこそクリスにはダイ・グの最期の時まで側にいてもらいたいのだろう。
 そういえばニオにはとんでもない秘密があると「スモーク・ウォール」で
 書かれてたがそれが本編で明かされることはあるのだろうか?

・元老の方々はダイ・グの言葉を利用し次期皇帝の選出を先延ばしにして
 帝国をコントロールできる立場をより盤石に強大にしていきたかったようだ。
 平民出身のミヤザ長官はこのまま流れに身を任せれば元老入りと侯爵位を約束されたが
 心はすでに元老に見切りをつけてそう。ここが彼の正念場になるか。

・「円卓の騎士 ナイト・オブ・ジャッジメント」。
 円卓の騎士のデザインの初出は「プラスチック・スタイル」だったか。
 デザインズ3ではアルカナ・ナイトの古の正装。
 デザインズ5では璃里が着ている姿で紹介されている。
 帝国貴族や元老院すらその存在を知らないと言われる
 フィルモア帝国の最終決議権をもつ機関だったが
 レーダー9の時代から最高の軍事力と権力を持つ枢密院となる。
 レーダー9によるミラージュ騎士団と同様の個人騎士団。

 元老たちが陛下の危篤の場に帝国の重鎮がいないことに訝がっていたが
 ここにいない重鎮だちが円卓の騎士団のメンバーだろうか?
 勝手なメンバーの予想だが最初から円卓の騎士として紹介されていた璃里は確定として
 その娘の茄里、アラン・リー、離宮に来ていなかったブラウマ・イク、
 円卓の騎士団使用GTMに「マーク4」があったのでイゾルデ・サヤステ、
 元老に皇帝暗殺を企てた罪を被せられ死刑を言い渡されたナイアス、
 後は騎士を引退し璃里に強天位を引き継がせたというヒートサイ辺りか。

・これから帝国の多くの重鎮や貴族が粛清、追放されていくというので
 帝国の裏の支配者気取りをしていた元老の方々はこれが年貢の納め時か?

・次回重大発表と柱に書いてあるが「デザインズ7」の発売日でも決まったかな?

2023年12月10日(日)

○「ファイブスター物語」感想(月刊ニュータイプ2024年1月号)

・原型師・谷明氏による「Z.A.P.」1/100キットの紹介。

・扉は「DESIGNS 永野護デザイン展」の告知。

・「デザインズ7 灰の勲章」の発売日決定。
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(本編)
「第6話 アクト5-3 エンペラーズ・ハイランダー」

・フィルモア帝国ナカカラ離宮に現れる「円卓の騎士」たち。
 その後ろに続くのはフィルモア儀仗騎士、三大王家騎士、ノイエシルチス全グループ。
 驚くクリスたちに円卓の騎士の一人が付いてくるように誘う。

・突然現れた「円卓の騎士」に動揺する元老たち。
 一人の騎士が兜を外すと中の人物は皇位継承権第一位の皇女茄里だった。
 茄里は自分が元老院議長に任命されたのでよろしく頼むという。
 だがアドー王は怯まず例え皇女や皇帝であろうとそんな権限はないと異を唱える。
 フィルモアは民と議会政治による立憲君主の帝国。騎士の力の暴挙は通らないと。

・茄里はダイ・グが残した言葉を身をもって示したお方に円卓の騎士は従うという。
 茄里を皇位一位としたのは帝国最後のカーテンの後ろの扉の奥にいるお方を隠すため。
 帝国の誰もが跪く「名」を持つ方。元老の一部が幾度も暗殺を試みた人物。

 続く。
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・先月予告された重大発表はなんと3つあった。

 その1、「DESIGNS 永野護デザイン展」、永野護初の大型展覧会。
 「FSS」関連だけではなく「エルガイム」「Zガンダム」「ブレンパワード」「シェルブリット」など
 他作品のイラストや設定画なども厳選して展示されるという。

 その2、最新デザイン&解説集「デザインズ7 灰の勲章」の発売日が3月8日に決定。
 デザインズ7は一昨年ぐらいから年内に発売したいと言って何度も延期していたせいか
 収録予定のデザインがどんどん増えていってデザインズ2冊分ぐらいの内容がありそう。
 サイズはデザインズ4と同じB4サイズで192ページ、予価6600円。「ナイトフラグス」より安いぞ。
 未公開デザイン130点収録されるという。特に「GTM版ヤクト」の全体デザインが気になる。

 その3、原型を谷明氏が担当した「Z.A.P.」のガレージキットが発売決定。
 自分が谷明氏を知ったのは「ヤクトミラージュ」のガレージキットが模型誌で紹介された時かな。
 連載でヤクトミラージュの戦闘シーンを読んだ時はこんなに上半身が大きく複雑で腰が細くて
 ハイヒールで歩くロボットを立体化するのは厳しいだろうと思っていたので驚愕した思い出。
 他には「MM焔星」や永野氏のイラストに準じた「ブレンパワード」「バロンズゥ」などの印象が強い。
 「Z.A.P.」はすでにボークスから1/72キットが出ているが同じデザイン画でも原型師によって解釈が変わる。
 自分は作る技術もないので眺めるだけだがデザイン展などで展示されるなら見比べてみたい。

・「Z.A.P.」のイラストがアンクル・クレーンとフレーム・ランチャーが外された絵になっているが
 これが1巻の対黒騎士や3巻のコーラス戦に参戦した時の「対GTM戦闘モード」だろうか? 

・漫画本編は「デザイン展」や「デザインズ」などの準備で忙しいのか10頁と少なめ。

・円卓の騎士の後ろに続々と現れるフィルモアの騎士団たち。

 儀仗騎士は外交や接待の警備のために若い女性騎士が持ち回りで選ばれるという。
 12巻で慧茄のお供にいた。デザインズ5で成長したアラン・リーがこの服を着て紹介されている。

 三王家騎士団はフィルモア三大王家の近辺護衛が主任務の騎士団、ノイエも兼任したりする。
 13巻で出てきたメリー・マーカスは映画のハイランダー・シャンディー・マーカス王女の血筋。

 ノイエシルチス全グループが出てきて驚くブルーノ。
 なんかアルカナ騎士が全員ハブられているみたいでかわいそうだが
 彼らは皇帝警護騎士でダイ・グから離れられないので仕方がないか。
 白グループのジャンシー・ガラーも皇帝直下の騎士なので同じ扱いかな。

 現在の円卓の騎士は数えると11人か?騎士以外の帝国の重要人物もいるようだが。
 クリスたちを誘った騎士はメガ盛り頭だというので中身は璃里で確定だろう。
 さらにアドーの前で兜を外したのは皇位継承権第一位の皇女茄里。
 現在のアドー王に代わって元老院議長に命じられたという。

・アドーによると「円卓の騎士」召喚は元老が皇帝に上奏して
 三大王家の承認と元老院4分の3以上の賛成がなくてはならないらしい。
 ただしそれとは別に15巻でショーカムが語っていたように帝国の危機に対して
 決議が遅れまとまらなくなるのを恐れ「円卓の騎士」召喚して
 立憲君主制から完全専制君主制に移行することができる権限を持つのが
 「三色の皇子」ジークボゥだ。

・アドーの言うように騎士の暴力で帝国を治めるなどあってはならないが
 現在の司法長官であるアルク・レーダーがバルバロッサ側に付いていて
 三つの王家でパワーバランスをとっていたフィルモア帝国の権力を
 本来調停するべきバルバロッサ家が掌握しようとしている。

・気になるのはアドーに王の名を譲り隠居したバシル・バルバロッサ大王がどうしているかだ。
 ダイグがナカカラ防衛戦で言葉を残した時はバシルは苦虫を嚙み締めたような顔をしていたが。
 茄里は産まれてすぐに何らかの取引で璃里の元からバルバロッサ王家に引き取られていた。
 そしてバシルは皇位一位の茄里に都合のいい教育を施し同じ皇子であるジークに暗殺を試みていた。
 13巻で茄里は暗殺失敗したという報告を聞いて自分が暗殺にいき失敗したのが15巻だ。
 あそこで璃里が怒ってバシルを殺しにいこうとしたらジークの中のサイレン(?)に止められたが
 これからジークはナカカラの友好と多くの血を流さないために元老や貴族を粛清していくのだろうか?

2024年1月12日(金)

○「ファイブスター物語」感想(月刊ニュータイプ2024年2月号)

・ゲートシオンマーク2/スピード・ブリンガーのレジンキット画像公開。

・扉は「DESIGNS 永野護デザイン展」の詳細な告知。
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(本編)
「第6話 アクト5-3 エンペラーズ・ハイランダー」

・茄里の言葉に驚くアドー王と元老たちの前にジークこと「サイレン」皇太子が現れる。

・ジークは祖父のバシル・バルバロッサからバルバロッサ家、
 亡き父ワイプ皇太子の叔母ジェイン・レーダーからボルガ・レーダー王家、
 母のブラウ・フィルモアからフィルモア王家、全ての家督を引き継いだ。
 これで帝国三大王家すべての当主となり帝国元老院8割以上の議決権を持ち
 ジークはフィルモア帝国の全権を持つ者となった。

・ジークは自分を旧大帝国皇帝「ドナウ・ガァ・ダス・ラント」と名乗る。

・ジークは見届け人としてダイ・グの元へ行く。
 警護の騎士としてクリスティンを選び付いて来るように命じる。

・ベッドで眠るダイ・グの側に座るジーク。
 ジークが帝国を出た本当の理由は自分に近しい人間が自分を別の誰かに見えていること。
 自分の中に別の誰かがいるんじゃないかという恐れのため。

・ナカカラ防衛戦のダイ・グの言葉を聞いたジークの前にセントリーの幼生楊貴が現れる。
 楊貴を介して詩女フンフトがジークに花の詩女から初代皇帝に預けた手紙を渡す。

 続く。
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・「DESIGNS 永野護デザイン展」。

 サンライズ関連ではエルガイムやガンダム系、ブレンパワード以外も
 入社初期に参加したバイファムやゴーグのデザイン画なども展示されるという。
 ゲーム関連ではあのセガサターンの「エアーズアドベンチャー」のイラストも展示。
 会場販売されるグッズや複製原画なども気になるが
 特に「図録:展示作品収録画集」が出るというのでこれだけは手に入れたい。
 ただし会期途中からの案内になるというので公式を随時チェックしておくこと。
 映画「花の詩女ゴティックメード」もホールで上映。
 漫画本編にも関わるのでまだ見てない人はぜひ。

・「デザインズ7 灰の勲章」。
 公式ページにGTM版ヤクト「デトネーター・ブリンガー」らしきシルエットが見れて期待が高まる。
 ハイファ・ブリンガー(テロル)、グリット・ブリンガー(クロス)のカラー絵も公開。
 天照が開発したミラージュGTMはみんな足が複雑でごつい印象。

・円卓の騎士の中から突然現れるジーク。
 円卓の姿から一瞬で着替えたのかと思ったが先月号をよく見たら円卓の騎士の中心に隠れていた。

・なんとここに来る前に三大王家すべての家督を引き継いでいた。
 先月の感想でバシル・バルバロッサ大王がどうしてるか考えていたがすでに家督を渡していた。
 サイレンを前に引き際と感じたのかもしれないがアドー王からしたら突然梯子が外された形だ。
 ジェイン・レーダー女王は15巻で登場したお婆ちゃん。ボルガ・レーダー王家女王。
 ジークの父ショーカム(ワイプ・ボルガ・レーダー)の母ポーラ・ボルガ・レーダーの妹。
 (デザインズ4のフィルモア王家の血統の記述は細かい間違いがあるので注意)

・旧大帝国皇帝「ドナウ・ガァ・ダスラント」
 トラフィックス4ラスト、アマテラスが示唆したクローソーが付けた「ジークボゥ」でも
 皇子名「サイレン」でもない真の名前が明かされた。
 13巻でも書かれていたがダスラントはAD世紀末期に超帝國に代わって台頭した帝国の名前だ。
 この帝国は後に東のドナウ帝国と西の太陽王国に分離しお互い牽制しあうが
 ドナウ帝国皇子「ドナウ・ガァ・トリハロン」が詩女の預言を達成するため星団暦535年に統合、
 フィルモア帝国が誕生しトリハロンは初代皇帝「サイレン」を名乗るようになる。

・15巻でヨーンに言っていたジークの探していた夢に出てくる女性は詩女マグダルだった。
 確かに特徴的な目だがこの作品で特徴的な目と言われると天照家が浮かんだのだが違った。
 ちゃあが近いと言っていたが近いかな?周りの人々を惹きつけ自然と導くような雰囲気が似てるのか。

・ジークが帝国を出た本当の理由。
 ジークに近しい人物が彼から「初代皇帝サイレン(トリハロン)」の面影を感じていたせいだ。
 特に15巻で母の瑠里や妹の茄里がジークからトリハロンの言葉を感じているように描かれていたが
 詩女フンフトによるとジークが三色の血を持つが故に初代皇帝に対する畏怖が出てしまうのだという。
 正直、超帝國剣聖のような前例があるので超技術でトリハロンがジークに
 転生(リストア)されているかもと思っていたがミスリードだったかな。

・「緋色の雫」ラストで詩女フンフトがセントリーを介してジークに渡そうとしていたものは
 初代皇帝トリハロンに花の詩女ベリンが預けた手紙だった。
 自分は感想で初代皇帝サイレンと詩女ラーンをトリハロンとベリンと普通に書いていたが
 漫画本編で名前が出たのはこれが初めてだっけ。
 花の詩女ベリンことユニオVは解説を読むに今も存在してるっぽいがどこにいるのやら。

2024年2月9日(金)

○「ファイブスター物語」感想(月刊ニュータイプ2024年3月号)

・扉は「DESIGNS 永野護デザイン展」展示会場のイメージ画。
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(本編)
「第6話 アクト5-3 エンペラーズ・ハイランダー」

・ベッドから動けないダイ・グに詩女ベリンの手紙を見せるジーク。
 内容は「あなたの国に蒔いてください。」というもの。

・円卓の騎士たちが兜を外し正体を明かしていく。
 その錚々たる面々に驚くフィルモアの元老、貴族、騎士たち。

・そして最後に面を明かしたのはバシル・バルバロッサ大王。
 バシルの前に現れたジークに対し家督を継ぐ権利は認めるが今ではないと諫めるが
 ジークから初代皇帝トリハロンの声と姿が見えると跪く。

 続く。
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・「DESIGNS 永野護デザイン展」。
 明日の2月10日(土)から埼玉ところざわサクラタウンで開催。
 会場では映画「花の詩女」を特別編集した4分ほどのスペシャルPVが観れるという。
 自分は早めに観に行く予定。

・「デザインズ7 灰の勲章」のカバーイラスト「デトネーター・ブリンガー」の画が公開された。
 大きすぎて誌面に収まってないが「デザイン展」で全身像が早く拝めるという。
 身体を前面姿勢にして二門のバスター砲を背負っている感じ。
 脚部が複雑なデザインで立体で見ないとどうなってるか分からなさそう。
 炎砲(ライト)と翠帯(レフト)では頭頂部の角の数以外全く同じと以前の解説にあったが
 8巻でヤクトが活躍した時は真っすぐに立って戦闘したのだろうか?

・花の詩女ベリンが初代皇帝トリハロンに預けた手紙。
 詩女ベリンなら未来でジークやダイ・グに読まれることを前提に書いてそうだが
 「あなたの国」とはそのままフィルモア帝国のことではないだろう。

・ジークの特技。
 ジークはフィルモア帝国王家の家督を継いで円卓の騎士を集めたが
 最後の一人には特技が発動しちゃったという。
 帝国に強い想いがあり血縁的に近しい人物はジークから初代皇帝を見て畏怖してしまう。
 バシルもまた帝国に強い想いがありジークの祖父なのでその条件は当てはまる。

・正体を明かす円卓の騎士たち。今回集まったのは11人。
 過去の予想で当たってたり外れてたり誰だよ?って人まで。
 帝国の最終決議を行う者のことなので全員騎士だとは限らない。

1.茄里・ボルガ・レーダー。
 「三色の娘」。皇女。兄から元老院議長を命じられる。

2.ドル・パーマネント・レーダー8。
 フィルモア帝国前皇帝。
 これは予想では書いてなかったけど想像の範疇。

3.ブラウ・フィルモア女王。
 フィルモア王家筆頭。ジークと茄里の母親。強天位騎士。
 本編登場前から円卓の騎士として紹介されてた人。

4.ジェイン・ボルガ・レーダー女王。
 ボルガ・レーダー王家筆頭。15巻に登場。
 ジークの父ワイプの母ポーラの妹。

5.ジルメア王。
 フィルモア帝国の長老。急に知らない人物が登場した。
 ジルメア王国はダス・ラント連合帝国時代から名前がある。
 フィルモアの三大王家以外の国々をまとめ元老から一線を引き
 一般人からなる帝国議会や国民から敬われてるらしい。

6.ブラウマ・イク。
 ノイエシルチス赤騎士団団長。
 ジークから全軍と騎士団長官をたまわる。

7.アラン・リー・ファウトウ。
 茄里のお付きとしてボルガ家に仕えていた。
 レーダー王家の散家筋のケンタウリ家の騎士。
 ラルゴ・ケンタウリがコーラス・ハグーダ戦(3巻)で私怨で戦闘をしたため
 ケンタウリ家は取り潰しとなり家の名誉挽回のために
 元老院所属の暗殺騎士団「氷グループ」にいたが解散。
 他の円卓の騎士たちが錚々たる面々なので周りから「あの娘誰だ?」って言われそう。
 元々の円卓の騎士の資格はなさそうだがダイ・グから皇帝の指輪を託された者として
 ジークが新しく円卓の騎士として任命したと思われる。

8.ナイアス・ブリュンヒルデ。
 もえぎ騎士団団長。ティルバー女王の養女として元老院直属の騎士となり
 ナカカラ防衛戦では元老たちの陰謀を命じられ行動するが
 それを裏切ると皇帝暗殺の罪を被せられ処刑宣告をされていた。
 読者としては11巻冒頭の未来のシーンでナイアスの名前が出るので
 ジークの任命で円卓の騎士に入りそうだなと思っていた。

9.イゾルデ・サヤステ。
 クバルカン法国筆頭騎士。サヤステ国当主。13巻に登場。
 クバルカン法国はダス・ラント連合帝国から分離していたが
 ラントの名を名乗る者が出でし時「ラントの盟約」が復活するという。
 映画「花の詩女」に登場しトリハロンに仕えたルドルフ・サヤステの血統。
 円卓の騎士団所属GTMにMk4マッハ・シャルトマがあったので予想は当たっていた。

10.アイオ・レーン。
 ジャスタカーク公国の騎士団長。天位騎士。
 カーグ連合とはジャスカターク公国とカーグ王国、オルネード国の3つの国の連合。
 クバルカン法国と同じく元はダス・ラント連合帝国の一部だった。

11.バシル・バロバロッサ大王。
 これは予想外だった。3大王家当主なので元から円卓のメンバーに入っていてもおかしくないが
 ジーク暗殺を企てフィルモア帝国の権力を手中に収めようとしていた人間なので
 それこそ真っ先に粛清される対象だと思っていたのだが。
 トリハロンの幻影が見えたのはジークの祖父としての血縁と
 映画「花の詩女」に登場したボットバルト・デュー・バルバロッサ王の血が故か。
 とにかくこの作品では血を受け継ぐものに対する影響力が強い。

 騎士ではなさそうな老人のジルメア王、ジェイン女王、バシル大王は
 円卓の騎士の鎧が重そうだなと思ったが儀式用で実は軽いのだろうか?

・次号は表紙&巻頭特集。デザインズ7も発売されるので楽しみにしてます。

2024年2月18日(日)

○「DESIGNS 永野護デザイン展」感想

・2月10日(土)から3月24日(日)まで埼玉ところざわサクラタウンで開催してる
 「DESIGNS 永野護デザイン展」に行ってきた。
 「ニュータイプ35周年アニメ・クロニクル」の時もここでFSS関連の絵や生原稿が
 展示されていたが都合がつかず今回行くのが初めて。

・最寄り駅の東所沢駅のすぐ近くの交番前に「マグナパレス」のマンホールが。
 他にもKADOKAWA系列の作品のマンホールが周辺にある。

・平日の休みの日に午前中から行ったけど結構並んでたかな。
 900円で川村万梨阿さんの音声ガイドが聞ける。(スマホとイヤホンは自分で用意)
 デビュー前やサンライズ作品などは撮影NGだが「FSS」コーナーから写真撮影OKになる。
 永野氏の設定画特有の細かい注約が多く書き込まれているので
 頭に焼き付けて見逃すまいと自分も含めじっくり見てる人が多かった。
 最後のコーナーまで行ったらまたグルグル回ったりして3時間程鑑賞していた。

・「デス・アンカー」
 デビュー前の第2回国際SFアート大賞入選作。
 絵は「FSS ISSUE」で見たことがあるが想像より大きくて「オペラ・ピンク」が鮮烈。
 運命の3女神の「オペラ・スーツ」など作者が特別な色として使っている。
 この蛍光ピンクが印刷に綺麗に出ないと過去に嘆いてたりしてたな。

・「銀河漂流バイファム」「巨神ゴーグ」「聖戦士ダンバイン」
 「バイファム」は未採用ながら結構な数の「RV」をデザインしていたと知った。
 初めて採用されたのは「パペットファイター」。「バザム」は大河原氏のクリンナップで採用。
 「ゴーグ」でヘリや戦車、大型移動掘削機の「ダイノソア」など。
 「ダンバイン」の「ビルバイン永野案」はリブートや「富野展図録」などで見たことがあったが
 企画中止になった劇場版「聖戦士ダンバイン」のデザインは初めて見た。
 クワガタのような角をした如何にも永野氏がデザインしたオーラバトラーといった感じ。
 後のMHファントムの原型デザインになってるらしい。
 「オーラ・インセクタ」は「クフィル・インペリュン」に繋がる。

・「重戦機エルガイム」
 メカデザインとキャラデザインを同時に任せられた永野氏の出世作。
 富野監督は永野メカに合うキャラデザイナーを探していたが見つからず
 結局人物も描けるという永野氏本人がキャラデザインをすることになったみたいだ。
 後のロボットデザインに強い影響を与えた「ムーバブル・フレーム」を描く。
 この後永野氏の頭に大きく渦巻く設定は「エルガイム2」、そして「ファイブスター物語」へ繋がっていく。
 展示されたものは過去の画集や設定資料集などで見たものがほとんどだったが
 生の設定画とイラストから伝わる熱を感じてもらいたい。

・「Zガンダム」
 初期から基礎的な設定、全天周囲モニターやアーガマ、Zガンダム案、
 「リック・ディアス」、「ガルバルディβ」などデザインしたが途中で降板。
 「百式」は永野Zガンダム案を藤田一己氏がクリンナップしたもの。
 監督から後半の敵MS2機のデザインを頼まれ「ハンブラビ」「キュベレイ」をデザイン。

・「ZZガンダム」
 再び監督から呼び戻されて全MSのデザインを担当することになる。
 暗く複雑な物語になりすぎたZから明るい子供向けにするということで
 ビックリドッキリメカ的なデザインをしたと思われるが再び降板。
 そもそもZの直後の物語で明るいガンダムというのは無茶なオーダーだった気がする。

・「ガンダム逆襲のシャア」
 再々度監督から全MSのデザインを任されたが降板。後に退社。
 その後に沢山のメカデザイナーを集めて煮詰めた先に出渕氏の「νガンダム」が完成する。
 永野版「ナイチンゲール」や敵MSなどはリブートに掲載されている。
 永野版「Hi-Sガンダム」はジオンが作った設定で
 ジオンMS特有のスリットが入っている。(サイコフレーム的な技術提供?)
 ここで「ZZ」「逆シャア」の没になった多くのMSデザインが
 NT誌上で連載し支持を得始めていたFSSのMHデザインへ流用されていく。
 この辺りの詳細は「MAMORU MANIA (著)井上伸一郎」、
 デザイン画は「FSSリブート」に詳しい。

・「ガンダム関連」
 月刊NTに掲載された永野設定の「Zガンダム」のセル画。
 「タイプ100」「リック・ディアス」「ハンブラビ」「永野版ハンマ・ハンマ」が描かれている。
 このセル画がすごくカッコ良くて複製セル画とか売ってくれないかなと思ったが
 ガンダム関連だから無理か。

・「ブレンパワード」
 再び富野監督とタッグを組んだ作品。
 積層板バネ構造の生体メカというのは自分の胸にかなり刺さったデザイン。
 後にアルカナ・サイレンやL.E.D、マイティ・シリーズなどに少し引き継がれたが
 ブレン系列のデザインをもっと多く描いてほしかった。
 FSS18巻に出てくるであろう「スピリッター」がその流れを組んでくれるか?

・「シェルブリット」
 「少女革命ウテナ」の幾原氏と組んで出していた小説。
 作者は後に新しいロボットのキャラクター性を作るのは難しいと書いていたが
 自分はシェルブリットのデザインは好きだったので公式に立体化せず残念。
 そこから「燃えるキリン」という劇場アニメの企画があったみたいだが頓挫。
 没になった女性キャラの絵がとても魅力的だったのでもったいない。

・「ファイブスター物語」
 今回の展覧会の目玉は単行本カバーイラスト全17枚の展示。
 およそロボット漫画の表紙イラストとは思えない美麗なアートの数々で素晴らしかった。
 絵のサイズが結構バラバラで大きいものは1m近くあり逆に7巻表紙絵は想像より小さかった。
 単行本サイズだと縮小されて分からない筆の描き込みと質感をぜひ生で見てもらいたい。
 「MH」と「GTM」の同機体のデザインがどう変わったのか比較するように展示されていた。

・「花の詩女 ゴティックメード」
 初期デザインの詩女ベリンとトリハロンの絵があったが
 どちらも美形だがちょっと冷たい目をしていてこれはこれでカッコいい。
 決定デザインではより表情が柔らかい印象になっている。
 月刊NTで最初に発表されたカイゼリンより前の初期イメージ絵もあったが
 新しいロボットの機構をデザインするのにいかに時間をかけて推敲したのかが分かる。

・「立体物」
 展示された立体物はGTMが中心。「バーガ・ハリKK」と「ダス・ゴースト」は初お披露目かな。
 やっと生で「Z.A.P.」や「Mk2 スピード・ブリンガー」を色んな角度から拝めた。
 特に1/24「ダッカス・ザ・ブラックナイト」はGTMの細身で折れそうなイメージとはかけ離れたもの。
 14巻で騎士が「このでかい関節全てが骨で筋肉で装甲」と言っていたがその通りで
 こんな硬くて粘りがあり重く鉱石のようなロボットにキックなんかされたらふっ飛ばされそう。

・「デザインズ7」
 3月8日に発売される「デザンズ7」に先行して数点のデザインが公開された。
 目玉は壁一面に描かれたMH「ヤクト・ミラージュ・グリーン・レフト」に相当する
 GTM「グローサー・ツァラトウストラ・デトネーター・ブリンガーDB2 クロロフィル・ヘイズ」。
 「オレンジ・ライト」に相当する「DB1 スカーレット・ホログラム」との違いは頭部だけで
 チューンホーンが二つに割れているのがわかる。
 Z.A.P.のアンクル・クレーンと似たアンクル・アンカーを持つがより複雑なデザイン。
 これはぜひモデラーの方々に頑張ってもらいたい。

・「グッズ」
 最初の3連休で結構な数のグッズ&コラボグッズは売り切れていた。
 自分はデザイン展の広告のように並べて飾るため「L.E.D.ミラージュ」と「Z.A.P.」のアクリルスタンドと
 クリアファイル、ポストカード、細かいグッズなどを少々買った。

・「公式図録」
 今回一番手に入れたかった「公式図録」はまだ発売時期未定で
 来場者限定の予約販売になってる。価格は4400円。A4サイズ。
 グッズ販売所にあるQRコードで当日予約しないといけなさそうなので注意。

・自分は大満足だったがアクセス的に遠くて行けない人も多いので全国で開催してほしい。
 時間がとれればもう一回観に行くかも。

2024年3月10日(日)

・「デザインズ7」を買ってさらっと流し読みをしたが情報量が多いので感想はまた後日。
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○「ファイブスター物語」感想(月刊ニュータイプ2024年4月号)

・NT表紙イラストは「ダイ・グとクリスティン」。

・付録はB2ポスター「デトネーター・ブリンガー」とシールカレンダー。

・巻頭特集では「DESIGNS 永野護デザイン展」の記事。
 永野護/富野由悠季/幾原邦彦インタビュー。

・扉は「デザイン展」で展示中の単行本カバーイラストの解説。
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(本編)
「第6話 アクト5-3 エンペラーズ・ハイランダー」

・バシル・バルバロッサ大王は元老、貴族たちに
 ラント陛下のこれからの大改革ために共に支え歩むようにお願いする。

・平民出身のミヤザ長官はダイ・グに希望を見て厳しく意見し本心を確かめ
 クリスを英雄扱いしないことで本国のクリスの反発をやわらげていた。

・ジークは帝国の未来、トリハロンの理念、ダイ・グの想いを継ぐという。
 ダイ・グの前に現れる円卓の騎士たち。
 ダイ・グは次なるフィルモア皇帝ラント陛下に詔を伝えたという。
 ジークは慧茄と円卓の騎士たちと今後の話があるので
 クリスにダイ・グの側でお守りしろと命じる。

・二人っきりになったダイ・グとクリス。
 ダイ・グはクリスにジークと共にミノグシアとナカカラの架け橋になってくれと頼む。

 続く。
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・「DESIGNS 永野護デザイン展」特集記事。

・永野護インタビュー。
 デザイン展は予想以上にお客さんが来て好評なようで安心していた。
 よく使われる蛍光ピンクのオペラカラーの発色をいかに出すか説明してくれて
 そしてそれは印刷では絶対出せないと語ってる。

・富野由悠季インタビュー。
 「MAMORU MANIA」や他のインタビューでも散々語られたが
 ファティマというアイデアは好きじゃないが認めると随分丸い言い方になってる。
 後ちゃんとFSSの漫画を読んでいてコマ割りや動きなどにツッコミながら発破をかけていた。
 対談の時は逆に永野氏が監督に発破をかけていたし良い師弟関係だなと微笑ましくなった。

 幾原邦彦のインタビュー。
 永野氏を「ロック」だと語っているが幾原氏の作風も結構「ロック」なので
 「ロック」と「ロック」がぶつかってしまったかな。
 記事では中止になった映画企画「燃えるキリン」のキャライラストが載っている。

・「デザイン展」で展示中の単行本カバーイラストの解説。
 デザイン展でも飾られたイラストの下にタイトルが書いてあったが
 こうして作者自ら解説してもらえるととても助かる。
 画材の変遷やかかった時間、どういうイメージで描いたのかを解説。
 完成目前で背景が気に入らないからぶっ壊して捨てるというロックなエピソードも。
 デザイン展については続報もありそうなので公式をこまめにチェックしとこう。

・ミヤザ官房長官。
 「緋色の雫」でダイ・グはミヤザに自分とクリスを守ってくれていたと感謝していた。
 正直最初の頃はダイ・グに厳しい意見を言って品定めしていた感じだと思うのだが
 それから皇帝としての人柄に惚れダイ・グが惑わされないように議会を動かしていたのかな。
 クリスから私生活を取り上げ酷使して英雄扱いしないことで本国での反発を防ぎ
 戦勝会にも出さずマスコミのおもちゃにしないようにしていた、とイクは言う。
 クリスの酷使は最悪死んでしまうので結果論な気もするが
 16巻の頃にはシャルデファーでダイ・グとクリスを二人きりにさせたりしている。
 クリスのためというよりダイ・グが愛する人のために動いていたというべきだろうか。

・黙って頭を下げるアドー王だが内心はどうだろうか?
 どれほどアドー王とバシル大王の思惑が一致していたかわからないが
 バルバロッサ王の名をバシルから引き継いだつもりがそのバシルによって梯子を外された形だ。
 バシル大王にとっては想定外の展開とはいえ自分の血を継ぐ孫が
 ダス・ラント王になるならば最悪死んでも満足かもしれないが
 アドー王からしたらふざけるな!と怒ってもおかしくない気がする。

・ジークにクリスのことを頼むダイ・グ。
 「あれ」とはフィルモア帝国皇帝のゴルゲットをクリスに着せたいということだろうか。
 皇帝代理騎士といえど皇帝の象徴を皇帝以外が着るのはしきたり違反なのだろう。

・次回はついにクリスが「エンペラーズ・ハイランダー」となるか?

2024年3月16日(土)

○「デザインズ7 灰の勲章(アッシュ デコレーション)」感想

・オールカラー 192ページ B4判 6600円(税込)。
 前回2019年に発売された「デザインズ6」から4年と随分と時間が空いた。
 本のサイズはデザインズ4と同じでさらに頁数が多く
 本を持ち帰りながら重たいと感じたのは久しぶりだ。

・内容は15~19巻までの登場予定のキャラとメカの設定解説がされている。
 前半はミラージュ騎士団中心で内容的にはGTMに変更後のデザインズ1といえる。
 デザインズ1と見比べながらどう設定が変化したか読むと面白いかも。
 神聖アダマス・ダスニカ帝国とヨーグン連邦については意図的に省いたようだ。

・コロナ禍の時にアシスタントを呼べず連載が止まりデザインズが載った3回分と
 連載の扉頁での設定解説と被るところも多いので連載を追っていた人は新鮮味は薄いかも。
 目玉の「デトネーター・ブリンガー」と「ラミアス(ステンノ)」も「デザイン展」で公開したので
 今回初公開のGTMは「フォクスライヒバイテ」の全身画と「アルカナ・オーデル」となる。
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●(ネタバレ考察)

・この本のタイトル「灰の勲章(アッシュ デコレーション)」は
 アグラハ・アダマス皇帝が「Z.A.P.」に与えた最高峰の称号。
 17巻でアダマス皇帝がこの名を叫んでいたが「すべてを灰にしたもの」への称号だろうか。

・邪神モイキュード。(ベストラル星域のモイキュード)
 デザインズ1の頃は太剛神モイキュードがバスター宇宙からサタンを送り込んで
 神と神の宇宙間代理戦争を起こしてるように書かれていたが
 デザインズ7では悪魔(ヴィーキュル)も邪神(モイキュード)も
 アマテラスが創造したジョーカー宇宙の異次元の存在と設定が変更されている。
 スタント遊星を送り込みヴィーキュルをジョーカー星団に襲来させた仲介者のようだが
 全能神アマテラス大御神に対抗するほどの力はなさそうだ。

 こうなると現在アマテラス大御神と同格の全能神は16巻で解説された
 タイカ宇宙を創造した雅欄(ガーラン)大御神だけとなる。
 とはいえ別宇宙は無数にあるというので全能神も無数にいるのだろう。

・1巻の「LEDミラージュvs黒騎士(3960年)」が描かれた頃から想像も付かないほど
 LEDミラージュ(Z.A.P.)の設定が最強無敵に盛られていったが
 ダッカスも後にアマテラスから再改修を受けエストの戦闘経験値も桁外れになり
 Z.A.P.を対GTM用にデチューンしたとはいえダッカス相手では辛勝だったと思われる。
 Z.A.P.のフライヤー(盾)に「拾ったものはここに連絡。高報酬を与える」と
 打ち込まれており1巻冒頭の親子が拾って連絡したという。
 つまりダッカスによってZ.A.P.の盾を飛ばされたということだ。

・GTM「フォクスライヒバイテ(フォックス)」。
 14巻でアイシャが乗って登場しNTの表紙絵になったが全身画は初公開。
 初登場シーンで脚部のアンクル・クレーンがうっすら見えていたがやっと確認できた。
 ツインエンジンの試験機を駆逐型に改修したものが「フォクスライヒバイテ」。量産化は断念。

・ミラージュGTMの説明で没になったと思っていた「ファンダウン・ブリンガー」の名前が出て混乱する。
 F型が「フルトリム」、F2型が「フォクスライヒバイテ」、F1型が「ファンダウン」後にC型へ区分。
 G型の「グリット」のG3型が「キャメラート」C型M(雄型)となるらしい。うーん?

・ログナーが乗るマイティシリーズのMH雷丸はGTM「B2型・紫雲(シウン)イカヅチマル」に。

○ジョーカー星団の歴史、モナークの解説。

 読んでいて上手く整理できなくて頭が痛くなった。
 とりあえずモナーク紀のモナーク人はAD世紀どころではない超科学力を持ち
 4つの恒星と人類が住める惑星の公転を調整して現在のジョ-カー太陽星団にした。
 そして宇宙の摂理を再現可能な「宇宙創世式」を完成させるために
 永遠と宇宙の記録を続ける「数式生命体モナーク」を創る。
 その管理者が「モナークのセイクレッド(ログナー?)」でその制御装置が「素子姫(イエッタ)」だと。
 ジョーカー宇宙消滅時7777年に全ての宇宙記録を終えた後Fネーム・ファティマが誕生する。

・超太古の時代に名前が出てくる王様のどれがログナーなんだ?と思っていたが
 「カラミティ・ゴーダース王」も「アズデビュート数式生命帝」も「モナーク(ログナー)」だった。
 神剣懐園剣の説明にあるジョーカー星団の星王「バビロン・ハイペロン総帝」もログナーだろう。
 こうなると5巻のタイカ宇宙のログナーも作者は他人の空似か偶然だと言っているが
 実はタイカ宇宙に送り込んだログナーなのかもしれない。

・これで16巻120頁のラキシスや17巻174頁の女魔帝がログナーに語った
 意味不明な単語の台詞を少しは理解できるようになっただろうか?

○ミラージュ騎士団。

・ミラージュ・ファティマのアシリア・スーツはシルバーで統一するはずだったが
 個体識別しにくいとのことでそれぞれカラーが付けられている。
 自分も元々のパーソナルカラーがあるのに勿体ないなと思っていたのでよかった。
 Z.A.P.に搭乗する時はシルバーに変化するらしい。

・剣聖ヴェイデリ・コーダンテはよほど捻くれた展開にならない限り
 ヨーンとワスチャの間に生まれた子か子孫だろう。
 頁の並び的にファティマは「海のティータ」だろうか。
 ヨーンの子孫のファティマが対エスト用ファティマをパートナーにするのは
 運命の巡り合わせを感じる。

・デプレはマキシ亡き後の剣聖と書かれているが超帝國剣聖を除いても
 近い時代に剣聖ベルベットと剣聖ヴェイデリがいそうだがどんな順番になるのだろう。

・なんと右翼の6にツァ・ベール1世(クラーケンベール・メヨーヨ)の名前が。
 クラーケンベールの母親がジェイスバ・マーカス・フィルモア王女だった。
 つまりマーカス家のメリー・マーカスとは異父兄妹の関係。
 後の統一カステポー連合の大統領になる彼が3159年のアドラー侵攻に
 ミラージュとして参加するということはそれだけの大義か同調する理由があるということになる。

・斑鳩王子(サリオン)はタイトネイブ姫と子供を作ることが確定した。
 サリオンは女系家系の天照家の王女を娶らなければ子供に
 皇位継承権が得られないのだがタイトネイブを選んだようだ。
 10巻ラストのサリオンとじゃーじゃー姫との出会いから読み直すと感慨深い。

・斑鳩の説明で旧「バイア」の呼称が「デューブル」から「ツバイ」に戻ってる。
 「ツバイ」だとドイツ語の「2」なので「二重」の「デューブル」に直したと思ったのだが。

・カイエンの説明で10巻の東の君が桜子に向けてカイエンを復活させたのは
 詩女ボルサなのに詩女フンフトと言っていたが東の君の勘違いとなった。単純に作者のポカ。

・夢の令令謝は3200年頃にアマテラスからフローレス認定されている。
 ファティマ・リレーでアマテラスが言っていた死んだバランス系列ファティマ4人を
 令令謝、フォーカスライト、インタシティで残りが不明だと説明している。
 自分は異次元にいるドアランデアスティルーテが最後の一人だと解釈していたが違うのか?

・エレーナのファティマ虹姫の身長がデザインズ6の150cmから145cmと5cm低くされてる。
 イラーのアナンダとエフィーのレイルゥーも145cm。ここがファティマの身長の下限だろうか。

・カイダの設定がボォス星出身かカラミティ星出身か安定しなかったが
 カラミティ星イラカの王族の末裔として産まれボォス星のイラカの移民が多いアンザ首長国に来て
 秘密結社「アイス・ハンド」の首領となるという設定になった。

・ヨーンのファティマがエストになっているがどういうことだろう?
 デコースを倒した後にヨーンがエストを手に入れ単純に黒騎士として活躍する訳ではないと思うが。
 3070年以降に浮遊城で「DB」のバスターランチャーの調整などさせられた後、捨てられるという。
 映画「花の詩女」ラストシーンの3159年ではレーダー9の側にいる。
 そしてレーダー9からリズ・コールに渡り息子の4代目黒騎士のパートナーになる流れだ。

・ワスチャは「漆黒の花十字」のマークを付けてるがミラージュ騎士ではないらしい。
 ヒュートランは令令謝(零零)に豆腐をぶつけられたせいで精神崩壊し
 バランシェが再構築したためダムゲート・コントロールが外されている。

・剣聖マキシのパートナーに雫雫がいるが「S.S.L.」から生まれたFネームファティマみたいだ。

・エフィーが17巻でポーターが記憶を消したはずのマキシを覚えていたのは
 サイボーグだったためハードディスクのような「記録」が残っていたせい。
 過去に「EV-7」と書かれてたが間違いで「EV-3」が正しい。

・ヒューズレス・カーリーのファティマ・トランスは初公開だがとてもかわいい。

・ニナリスがメイザー・ブローズのファティマになっている。
 とりあえずジィッドにいらないから殺されるという最悪の結末からは逃れられたようでよかった。

・リィの娘パナール・エックスが意外にも手合いではヨーンやツバンツヒより強いという。
 さすがは天照家の王女といったところか。

・メカ・ツバンツヒは頭のボンボンが基礎素材と原子収集触媒となっており
 16巻で変身解除後はボンボンがなくなりジョイントだけになっている。
 14巻で女子高生ミラージュにヤキをいれられそうになった時に
 ボンボンを取られたら果たしてどうなっていたのか。

・単行本10巻の230~231頁のシルエットクイズの答えは
 左からマキシ、タワー、パナール、斑鳩、タイトネイブ、エスト、
 シトロン・メナー、ジャコー、ヨーン、ブローズ、マエッセン。
 メナーのイメージは変わっているので分かるわけがない。

・ニオの秘密とは桜子と親戚筋で目のデザインが同じだったということくらいか?

・また零零のパワーゲージが変わっている気がする。
 16巻では「4A-3A-4A-2A-5A」、デザインズ7では「3A-3A-4A-2A-5A」に。
 これだと先先のパワーゲージと被るけどいいのかな?
 16巻でナオの性格を受け継いでいると書かれていたが
 そもそも本物の令令謝はナオと会ったことがないのでナオの面影などなく令令謝そのものに近い。
 ただしナオをマスターにしたことでその性格はナオに近づいていくようだ。

○異界からやって来るものたち。

・ヴィーキュルの王「ラドナリスリビオン」。
 この名前は2020年に掲載されたデザインズで初出の名前だが
 連載でカイエンと令令謝が破烈の人形でラドナリスリビオンを消滅させたというので
 設定が変わったのかなと思ったがデザインズ7でも変更はない。
 異次元では星団暦1750年と2770年と3225年が混在してるので矛盾はしない。
 しかし3225年のスタント遊星攻防戦にカイエンは登場しないと明言されている。
 
・アンカー組のハイレグファッションはスケダチに来たタワーの影響だが
 タワーに教えたのはトモエに影響を受けたアーリィ・ブラスト。
 つまりハイレグはトモエ⇒アーリィ⇒タワー⇒アンカーと伝播している。

○その他色々。

・円卓の騎士になったリリはGTMラミアス・アンディンを使用。
 ヒートサイから引き継いだホウザイロ・グレントは他の騎士が使用する可能性が高い。

・ファティマ竜胆のスーツデザインはヨアヒム・イエロー。
 シアン夫人とは別のファティマスーツデザイナーの名前が出た。
 といってもメタ的には全部永野デザインではあるが。

・ビリジアン教授はツバンツヒとマウザーの行動を不審に思っている。
 これからアマテラスと接触しそう。

・17巻に登場した4代目黒騎士の母リズ・コールは後に血が覚醒して騎士になる。
 特に騎士の血統とかはないみたいだ。なんとクリスに匹敵する実力になるとか。

・静謐の詩女アルルは詩女史上初の「騎士の詩女」。

・ドリュー・ゼレのファティマ・ヨーキのスーツはブーレイ所属のせいか派手なデザインで良い。
 GTMブーレイはMHブーレイのように全体が派手なカラーリングを期待したが落ち着いた色だった。
 9色あるがポイントで色分けしている。

・聖弟ナラリタのファティマ・ハスノホルテは後々カイゼリンに乗る予定。

・GTMアルカナ・オーデル。
 MHアルカナ・サイレンに相当するが全体的に四角くて堅牢なイメージでカッコよい。

・ジェイン女王の説明を読むとやはり円卓の騎士の鎧は実際の金属ではなく
 軽い素材だったがそれでも老体のジェインには重たかっただろう。

・イゾルデのファティマ・バルタンは工場製の銘無しといいながらも
 クープ博士管理下のフィルモア工場から生まれている。

・エンペラーズ・ハイランダーとなったクリスはダイ・グの王家名「エラニュース」を引き継ぐ。
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○ガーランド・ファティマ一覧。

・いままで登場したファティマのシリアルナンバーなどが整理されて公開された。
 このHPでもまとめているがデザインズ7以前に名前が出ていて
 製作者や詳細が判明したファティマに関してはここで補足修正しておく。

・アローガ・サルファ製作のファティマはすでに登場しているという。
 17巻のアダマスのダスニカ・ファティマのことだろうか?

・ヘアリア・ノーベリウム製も初公開だが謎だらけ。

(気になったところ)
・バランシェ・エトラムルのアークエンジェルとケーリッカクの番号が連載と逆になっている。
・サリタ・アス・ジンクのアナンダ(イラー)が記載されていない。
・クープのナールーシャ(ヘアード)とメイラン(パイソン)も記載されてない。
・クープのナロンとジンクのナンドーのマスターがどちらもハケット・ディ・ボンになっていて
 ナロンのペテルギウス・ズーワットがいなくなっている。

・今回新しく名前の出たファティマは連載や扉解説などで出てきたらまとめていきたい。
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・今回のデザインズで基本的なGTMデザインは一段落して
 今後新しいGTMデザインラインになっていくという。

・最後の頁の「ウェディングドレスのマリエ」については
 色々と頭に浮かぶが想像するだけに止めておく。

2024年4月12日(金)

・「DESIGNS 永野護デザイン展」が名古屋・テレピアホールで
 4月27日(土) から5月26日(日)まで開催されることが決定した。
 最初から言ってほしかったという人もいると思うが
 初の大型展覧会でどれだけ人が来てくれるか心配してたようで
 なかなか決まらなかったのだろう。どうせならこのまま全国で開催してほしい。

○「ファイブスター物語」感想(月刊ニュータイプ2024年5月号)

・永野氏の友人であったイラストレーターのいのまたむつみ氏の逝去について
 ニュータイプ編集部から感謝と冥福の言葉。

・扉絵はモノクロで薄く印刷されたダイ・グのイラスト。
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(本編)
「第6話 アクト5-3 エンペラーズ・ハイランダー」

・ダイ・グはクリスに詩女から預かった花の種を渡し
 冷たくなっていく自分の体に君の温かさを感じて眠りたいと頼む。

・ダイ・グはクリスの肌に抱かれて眠りにつく。

・カラミティ星・フィルモア帝国 帝都デュアンス プロトン城。
 ジークはダイ・グの詔と円卓騎士会議によって
 第239代目フィルモア帝国皇帝に選出され
 古き名を捨て新しき名「ドナウ・ガァ・レーダー9」と成る。

・レーダー9はダイ・グの責務を引き継ぎミノグシアの戦いを終わらせた後に
 フィルモア全軍を引き上げてナカカラ王国とミノグシアとの長き友好を築くことを誓う。

・レーダー9はクリスを前に立たせると皇帝の証である銀の房のゴルゲットを贈り
 ブラウ女王からは初代皇帝の剣、慧茄からはダイ・グの后のために作った冠が贈られる。
 彼女を全権騎士「エンペラーズ・ハイランダー」の座に就け
 フィルモア帝国全騎士団の総騎士団長に任命する。

・フィルモア帝国民の歓声に戸惑いつつもクリスは
 ダイ・グの遺志を引継ぎナカカラの大地に戻ることを誓う。

 「エンペラーズ・ハイランダー」 終わり

 続く。
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・いのまたむつみ氏。
 デザイン展のサインボードに「ブレンパワード」の比瑪のイラストを描いてくれていて
 そのイラストを生で見てきたので突然の訃報にビックリした。
 自分がいのまた氏の絵を意識したのは小説版「ドラゴンクエスト」と「宇宙皇子」辺りから。
 アニメでは子供の頃見た「サイバーフォーミュラ」、ゲームでは「テイルズシリーズ」。
 富野監督のアニメ「ブレンパワード」ではキャラクター原案をしていた。
 水彩やカラーインクで淡く繊細な絵を描く好きなイラストレーターの一人だった。

・過去のFSS連載の扉絵でも書いていたが永野氏と共に「バーチャファイター2」にはまり
 お互いセガの業務用筐体を買って練習するほどだったという。
 いまでもネットで読める「ブレンパワード」を振り返る対談を読むに
 富野監督が永野氏にブレンパワードの企画のラフを持ってきて
 当時ゲーム仲間であったいのまた氏を紹介する流れだったようだ。

・と、あまり現実の出来事と物語を絡めて感想を書きたくないのだが
 今回はどうしてもいのまた氏の逝去とダイ・グが眠るシーンを重ねて
 読んでしまい目頭が熱くなってしまった。
 今回のエピソードでダイ・グが亡くなるのは予定通りであり
 それこそ12巻のダイ・グと慧茄の会話から彼が若くして亡くなることは示唆されていた。
 単行本で今回のエピソードを通して読んだら別の感想になると思うが
 このページは連載時の感想なので仕方がない。

・第239代目フィルモア帝国皇帝「ドナウ・ガァ・レーダー9」。
 新名にレーダー王家の名前を使ったのは3大王家に配慮したものらしい。
 レーダー9の名前はファティマ・エストの歴代マスターの一人として
 初期から名前が上がっていてやっと漫画本編に登場したことになる。
 今後どういう流れでエストがレーダー9の元に辿りつくのか注目していきたい。

・エラニュース・クリスティン・V伯爵。
 ドナウ帝国筆頭騎士家ハロルドラント・マーカス家の分家の末裔がV家だが
 13巻で元老から手を出させないためにパーマネント・レーダー王家のレーダー8の養女となった。
 今回ではダイ・グのエラルド・フィルモア王家のエラニュースの名を引き継いでいる。

・先月号のダイ・グの言っていた「あれ」とはやはり銀の房のゴルゲットだった。
 フィルモア帝国歴代皇帝の証なので本来身に着けていいものではないが
 クリスに渡った時点でそれはダイ・グの遺志の証となった。
 ブラウ女王が渡した剣は映画「花の詩女」の主人公トリハロンのガット・ブロウ。
 慧茄がダイ・グの后のために作ったという冠は帝国皇后の証。
 初代皇帝の剣と皇帝と皇后の証を身に着けたクリスは正に「フィルモア帝国そのもの」となった。

・とはいえ帝国内の反発が心配で浮かない表情のクリスだが
 自分に浴びせられる帝国民の歓声はいままでフィルモア帝国の「ハイランダー」として
 長きに渡って戦場で勇敢に戦ってきたクリスに対する敬意の念にほかならない。

・帝国の議会内政は皇女茄里とミヤザが支えるという。
 レーダー9とクリスがダイ・グの遺志を継ぐというのならとミヤザは協力してくれるようだ。
 フィルモア関連のエピソードはミヤザ官房長官にいいところを取られてしまったな。

・15巻でレーダー9がクリスに出撃を命じている場面はおそらく
 詩女マグダルを救出する「カーマントー解放戦」のイメージだと思われる。
 クリスの「エンペラーズ・ハイランダー」としての活躍はそこで描かれるのだろう。

・次回からは予定通りなら「トラフィックス・ターミナル(終着駅)」となるはず。
 ヨーンとデコースのGTM戦での決着を期待。

2024年5月13日(月)

○「ファイブスター物語」感想(月刊ニュータイプ2024年6月号)

・扉絵はなく漫画本編からスタート。
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(本編)
「第6話 アクト6-1 トラフィックス~ターミナル 終着駅」
「プロローグ:プラットホーム」

・星団暦3070年 デルタベルン星 フロートテンプル。
 後部プラント・模擬戦ドームでGTMの手合いが行われていた。

・ミラージュ騎士になったヨーンはあらゆるGTMに対応するために
 ハイファ・ブリンガーでウラッツェンのグリット・ブリンガーと模擬戦をする。

・二人の模擬戦を見ていたルンはヨーンの成長に驚く。
 ハインドはマウザーが持ち込んだGTMユーレイで次の相手をするという。

・フロートテンプル先端 パトラクシェ・モニュメント。
 GTM戦の修行と並行してヨーン自身の鍛錬も行う。
 ブラフォードはヨーンがデコースに負けた時の戦いを再現してみせる。
 カーリーは遠距離戦でブレイクダウン・タイフォーンを放ちヨーンの裏を取る。

・東の君はミラージュ騎士たちにヨーンの戦いの記録が伝えていた。

 続く。
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・ついに「トラフィックス」のラストエピソードに突入。
 前回のエピソードではGTMの出番がなかったので
 今回見開きのハイファ・ブリンガーとGTMの模擬戦が描かれていてよかった。

・GTM「ハイファ・ブリンガー」。
 すでに14巻でカイダとブラフォードが乗って登場している。
 今回の見開きカットは「重戦機エルガイム」放映後に別冊のムックで描かれた
 プロトタイプFSSの「カラミティ3205」の絵のセルフ・オマージュと思われる。
 ガスト・テンプルの前にいるヘッドライナーはジョーン・バインシェルという名前だった。
 「HMガスト・テンプル(G型)」⇒「MHテロル・ミラージュ(途中でG型からH型に変更)」
 ⇒「GTMハイファ・ブリンガー(H型)」という流れ。

・ヨーンは剣とGTMの戦闘の経験値がデコースと比べて圧倒的に足りない。
 デザインズ4の個人年表では3069年にエストが天照家に入ると書かれていたが
 デコースに負けた同年にGTM戦を挑むのは無茶だろうと思っていたので
 今回GTM戦の修行が描かれていて安心した。
 すでに3070年になっているので細かい年表の予定もずれてきている。
 まあデザンズ4も10年前の設定本なので仕方がないか。

・GTMでの戦闘は騎士の実力を反映するとはいえやはり生身とは感覚が違うらしい。
 すでにミラージュ騎士のルンとレオパルトとも手合いをしているようだ。

・3010年のブラック・スリーの襲撃でリィを殺されたウラッツェンとしては
 アマテラスがデコース討伐を新入りのヨーンに託すというのは気に入らないらしい。
 正直10巻の戦闘を見るにウラッツェンやカイダではデコースに勝てるイメージが沸かない。

・ヨーンから見ればミラージュ騎士たちとの手合いで負けてばかりだが
 それは東の君がヨーンの戦いの記録を皆に伝えているためだ。
 お互い初見の戦闘ならヨーンに負けるミラージュ騎士もいるだろう。
 彼の成長速度にファティマ・ブライドやルンも驚いている。
 こうやって若く才能のあるヨーンをだしに使うことでアマテラスは
 ミラージュ騎士たち全体の練度を上げるつもりなのかもしれない。

・マウザーがユーレイやカリギュラのマーク2だけではなくデモールまで姫様に献上したらしい。
 コーネラ帝国からしたら契約したカリギュラによるすごい裏切り行為だ。

・17巻でログナーに勧誘された桜子がすでにフロートテンプルに馴染んでいる。
 ヨーンの心配はしているようだが恋愛的には諦めているのだろうか?
 そしてヨーンはワスチャの正体をまだ知らないらしい。
 天照家親王という立場より散々世話になっているアイシャの妹だと言った方が驚きそうだ。
 ワスチャがヨーンに怖くて会えないというのはヨーンが傷つくところを見たくないってことか?

・同じくヨーンに恋しているアーリィはカイダに勧誘されてミラージュ騎士になっているはずだが
 パルスエットの死に関わっていたため彼にはまだ顔向けできないかな。

・カーリーは2992年の浮遊城の騒動から80年近く経ってるが同じ派手な格好で戦っている。
 コーラス王家が使うブレイクダウン・タイフォーンを使えるのは
 彼女が元々コーラス王朝メロディ家に在籍していたためだろう。

・バーシャ(エスト)が10巻でブレイクダウン・タイフォーンを使ったのは
 ただヨーンをデコースから助けるためだけではなく
 ヨーンに「強敵との戦闘は攻撃ポイントの予測が重要」だと教えるため、
 と当時のデコースが読者に分かりやすく説明してくれている。

2024年6月11日(火)

○「ファイブスター物語」感想(月刊ニュータイプ2024年7月号)

・名古屋での「デザイン展」も終了したが今後の巡回については調整中とのこと。

・扉絵はジョーカー星団の女子高生の紹介。
 女子高生ミラージュは公務があるせいかほとんど休学・留年している。
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(本編)
「第6話 アクト6-1 トラフィックス~ターミナル 終着駅」
「プロローグ:プラットホーム」

・グリース王立内宮高等学校・騎士科・鍛錬所。
 ヨーンは女子高生ミラージュ騎士の
 タイトネイブ、パナール、ミューリーと木刀で手合いをする。
 見届け人はイーシー・ルーマー王女とツバンツヒ。

・同じくらいの強さのはずなのにヨーンは彼女たちに太刀打ちできない。
 そこに大学と高校の教師をやっているマウザーが顔を出す。
 マウザーはラキシスに全財産を渡したためこの仕事を紹介された。

・鍛錬の休憩にツバンツヒと恋・ダウドが食事を持ってくる。
 ヨーンはミラージュ騎士団には次元の違う最強クラスの騎士たちがいて
 さらにそれを権力だけでなく強さで支配するアマテラスとラキシスがいることに驚愕する。
 ヨーンより強いミラージュ騎士が沢山いるのに
 何故アマテラスはデコースとの戦いを自分に託すのかと疑問に思う。

・フィルモア帝国で新皇帝レーダー9によって枢密院の新設が決定したとニュース。
 それをTVで見たアマテラスは新皇帝に会ったことがあるアイシャに尋ねる。

 続く。
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・ヨーンの相手をする女子高生ミラージュたち。

・左翼№8.ミューリー・キンキー王女。
 何気に初期からいる左翼メンバー。4巻のカイエンのイメージですでに描かれている。
 とんがり帽子が特徴で王族の決まりである程度の年齢まで顔を隠していた。
 「キンキー」はあだ名で「へんなやつ」という意味らしい。
 「霞斬り」の元ネタは白土三平の漫画「カムイ伝」の「変移抜刀霞斬り」からだろう。

・左翼№14.オリビー・タイトネイブ・シージラック王女。
 10巻でいきなりDr.ダイアモンドと共に登場した。
 宇宙民としてイマラ同様宇宙でのGTM戦闘に長けている。
 今回空中戦でヨーンを翻弄したのもその経験のおかげだろうか?

・左翼№15.パナール・エックス・アトワイト公爵。
 3巻のクローソーのイメージでウラッツェンに子守りされてるパナールが初登場。
 初代女帝次女の血を受け継ぐアトワイト家の女児は皇位継承権常時2位を持つ特別な家系。
 3010年、ボスヤスフォートに母親のリィを殺されたパナールとしては
 ウラッツエンと同じくデコースの相手をヨーンに託されていることに納得していないようだ。

・イーシ・ルーマー王女。14巻でいきなり登場した。
 現在アイシャが女王に就いているルーマー王国の正当な王女。
 騎士ではないが同じ重責を担う王族の王女という立場のせいか
 女子高生ミラージュたちとよくつるんでいる。
 なぜかツバンツヒは彼女に頭が上がらないようだ。

・マウザーが女子人気ナンバー1の先生扱いされてることに笑ってしまう。
 カリギュラの時の変なテンションと髪型だったら生徒に避けられそうだが
 今は落ち着いた知性ある感じのイケおじで冗談も通じそうなので確かに人気が出るかも。
 ラキシスへの新型GTMデモールの献上はコーネラ帝国の裏切りだろうと先月書いたが
 なんとバルター博士とルーパート陛下の許可は取ってあるという。

・16巻で異次元の戦いを経験した超帝國剣聖やカリギュラ組はラキシスの凄さを
 理解しているがポーターに記憶を消されたせいで具体的に覚えていないようだ。

・ヨーンはアーリィがミラージュ騎士団にいることを普通に受け入れているな。
 アーリィはカイダと共にゴーズ騎士団やAFに忍術指導してるらしい。

・ヨーンの中で最強の騎士はアイシャだが
 それ以上に別次元に強い最強クラスの騎士がいることを知る。

・その一人が星団民に転化した超帝國剣聖バーナー・恋・ダウド。
 普段はちょっと強い騎士程度の力しかない。
 16巻で恋・ダウドが超帝國剣聖の力を発揮できたのは
 時間と空間を無視した異次元だからと設定では書かれている。
 ログナーが15巻の時のように散々彼女は危険だと触れ回っていたせいだろうか。
 そのちっこい司令ことログナーをヨーンは認知できてないが。

・剣聖マドラは現在ミノグシアでまだ会っていない。
 そういえばヨーンは剣聖の洗礼を受けていないな。
 (剣聖の攻撃から生き延びて天位を授かる試練)
 まさかマドラがヨーンの宿敵デコースを襲って子供を産んでいるとは夢にも思うまい。

・超帝國剣聖マキシのことを「狂犬のごとき恐ろしい男の娘」扱いされている。
 この作品では「男の娘」なんて言葉が出る前から
 女装する男子は登場しているので世間に迎合した訳ではない。

・典正舎のメレトレは15巻ではヨーンに命令を出す立場であったが
 現在彼はミラージュ騎士なので立場が逆転して頭を下げる側になってしまった。
 ミラージュ騎士がアマテラスの代理人としての権限を持つということの重さが分かる。

・マウザーが王女たちにヨーンは婿候補にいいんじゃないかというと
 アマテラスやアイシャ、ログナーからヨーンに手を出したら死刑だと言われている。
 これはアマテラスがヨーンをワスチャの婿にさせようとしているってことだろうか?

・フィルモア帝国の枢密院「円卓の騎士団」を新設するレーダー9。
 アマテラスのミラージュ騎士団と同じくレ-ダー9による個人騎士団だ。
 アマテラスはレーダー9と会ったアイシャに尋ねる。 
 アイシャはヨーンの友人として現れたジークのことを何者か気付いていなかった。
 実際に会った彼の印象でも聞きたいのだろうか?

2024年7月11日(木)

○「ファイブスター物語」感想(月刊ニュータイプ2024年8月号)

・GTM初のプラキット「ダッカス・ザ・ブラックナイト」の紹介。

・扉絵はGTM「バンシーカ(旧称メロウラ)」の絵と解説。
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(本編)
「第6話 アクト6-1 トラフィックス~ターミナル 終着駅」
「プロローグ:プラットホーム」

・アマテラスはフィルモア帝国新皇帝レーダー9のことを
 策略や駆け引きが通用しない厄介な相手だという。

・アイシャはヨーンと黒騎士をどうやって戦わせるのかと聞くと
 アマテラスはフィルモア皇帝と比べたらちょー簡単だという。

・約一か月後。
 デルタベルン星大統領アマテラスから全星団に向けて重大発表をする。
 「我がA.K.D.はバッハトマ魔法帝国に宣戦布告する」と宣言。
 さらに黒騎士デコースに対してミラージュ騎士のヨーンを
 アマテラスの代理として決闘を申し入れる。
 ミラージュ騎士団、王朝近衛軍、A.K.D.第1軍団、
 全軍をミノグシアに進軍させる。

・旧王都ベイジ。
 放送を聞いていたデコースは戸惑いと喜びを見せつつ決闘を受け入れる。

・カステポーA.K.D.領事館。
 アマテラスの突然の宣戦布告と決闘宣言に動揺するヨーン。
 だがアイシャはこんなことはミラージュでは日常茶飯事だという。

 続く。
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・プラキット「1/100 ダッカス・ザ・ブラックナイト」。
 GTMの立体物はガレージキットで多く出始めているが
 値段と組み立てる技術のハードルが高くて手が出せなかった。
 今回「ダッカス」がプラキット8470円(税込)とお手頃な価格で販売される。
 自分の技術では綺麗な塗装は難しいかもしれないが
 手元にGTMの立体物があると作品の理解度も高まりそうなので買う予定。

・フィルモア帝国皇帝騎ホルダ19 GTM「バンシーカ(旧称メロウラ)」。
 映画「花の詩女」で初登場し漫画では13巻で紹介されている。
 17巻ラストでは装甲が変わっているが帝騎「ナキメーカ」として登場。
 紹介される度に名前が増えて読者が混乱する困ったGTM。
 以前NTに掲載されたカバーイラストの解説によると
 12巻表紙の「Vサイレン」らしきロボが「バンシーカ」という名前らしい。
 デザインズ4のメロウラと比べると装甲色が変更され
 腕の人魚の絵が描かれたフライヤーが外されている。

・アイシャはトラフィックス4でジークに聞いた時と同じく
 妹のワスチャがどういう子なのかとアマテラスに質問する。
 アマテラスは彼女は王女として資質も自覚も全くない不適格な子だというが
 その言葉をそのまま受け取る訳にはいかない。
 11巻の「プロムナード」で大おじ様(アマテラス)はちゃあ(ワスチャ)が
 幸せなら周りは幸せになれる、そういう子だと言っている。
 王女でありながら王族や一般の庶民と分け隔てなく自然に接することができて
 普通の女の子の感性で普通の幸せを実感できるワスチャこそが
 国民を幸せにできる「王の資質」である、とかそういう話だろうか?

・現在コーダンテ家は王朝内部や元老院から皇位凍結が審議されている。
 アイシャは自らの不徳と以前から用意していた「進退願い」を
 アマテラスに渡そうとするがヨーンの話題に流されてしまった。

・アマテラスと会話するアイシャが随分と若く見える。現在225歳(地球人年齢約50歳)。
 以前アマテラスの顔を見るだけで若返るとか言っていたな。

・ヨーンがバーシャをエストとして認識して騎士になると決めてから
 アマテラスはヨーンを騎士として認めたのかと思っていたが
 パルスエットをGTMに乗せず中途半端に失わせたことに存外怒っていた。

・アマテラスによる「宣戦布告」と「決闘」申し入れ。
 アマテラスからヨーンに与えられる代償、重圧と恐怖とは
 全星団民が注目する中でデコースとGTMで決闘することだった。
 デコースと決着をつけるだけならそれは騎士同士の問題だが
 その勝敗でこの戦争に関わる多くの人々の運命が決まるとなると確かに恐ろしい。

・デコースはヨーンが生きてることに驚いていた。
 止めは刺さず死んだらそれまで、生き残ったら面白いことになりそうくらいの考えか。
 まさかヨーンがアマテラス(ソープ)のミラージュ騎士団に入って
 宣戦布告と同時に決闘を申し込まれるとは思わなかったようで
 さすがのデコースも戸惑いと喜びの感情ごちゃまぜな面白顔を見せてくれた。
 自分の喜ぶことをアマテラスは一番わかっていると嬉しそうだが
 もうデコースの中でソープ=アマテラスとなっているのか?
 そういえばエストは3巻でソープの正体はアマテラスだと当時のマスターの
 黒騎士ロードス侯に言おうとしていたな。ロードス侯はすでにわかっていたが。
 ソープとデコースは1巻からの因縁だがアマテラスがデコースのことを
 「名実共に偉大なる黒騎士」と評してるのが熱い。
 行動原理が「面白そう」なのもデコースと通じるものがある。

・ボスヤスフォートを久しぶりに見たが後ろのペールがすごい顔面をしている。
 17巻でマキシにボディ1体を倒されたので複数ある予備体から持ってきたのか。

・今回の宣戦布告はミラージュ騎士は誰も聞いてなかったようだ。
 A.K.D.の参戦は混沌とするミノグシアを平定するという大義だが
 元々10巻「ブラック・スリー」の浮遊城襲撃(3010年)があったので
 サリオンの言うように挙兵しても国民や他星団民から文句は言われなさそう。
 多くの大国が参戦する魔導大戦が始まってからは戦争の流れを読み取り
 終結させる一番のタイミングが今回だったのかも。
 まあアイシャが思ってるようにただ面白いだけかもしれない。

2024年8月10日(土)

○「ファイブスター物語」感想(月刊ニュータイプ2024年9月号)

・扉絵はA.K.D.ベル・クレール型戦艦・2番艦・天照家旗艦「アライメント」の絵と解説。
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(本編)
「第6話 アクト6-1 トラフィックス~ターミナル 終着駅」
「プロローグ:プラットホーム」

・アマテラスのバッハトマ魔法帝国への宣戦布告で
 高校で授業を受けていたミラージュ騎士たちは戦争へ召集され
 校舎の上空からA.K.D.旗艦ベル・クレールが迎えに来る。

・斑鳩王子率いるミラージュ騎士左翼はボォス星スバース市に向かい
 ランドのいるスバース隊と合流し共闘するようにとアマテラスから指令。
 アイシャ率いるミラージュ騎士右翼はノウラン東部でスキーン隊と合流し決闘場へ。

・ノウラン東部工場街。
 ミラージュ騎士のカイダとアーリィは枢軸の動きを偵察のためアブザ市へ。

・ボォス星上空に天照家旗艦2番艦アライメント。
 ソープは集まったミラージュ騎士たちに作戦を伝える。
 決闘は数百年ぶりで手順を知っているのはアマテラスとログナーのみ。

・GTMモルフォの前で一人佇むヨーン。
 アイシャはヨーンにシアン夫人のGTMスーツを渡す。
 その服を着てデコースと戦いケジメを付けろという。

 続く。
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・ベル・クレール型戦艦。
 A.K.D.旗艦で旧デザインは単行本1巻で登場しているが
 新デザインでは魚のヒレのような帆がなくなりスッキリとしたデザイン。
 2番艦アライメントとは1番艦の深緑色と違い乳白色となっている。
 今回A.K.D.旗艦1番艦ベル・クレールはサリオン率いるミラージュ左翼が乗り
 天照家旗艦2番艦アライメントにはアマテラスとミラージュ右翼が乗ってボォス星へ向かった。

・A.K.D.重巡洋艦プラネット・ボンバー「ビトローバ」。
 デザインズ7に掲載されていたが「プラネット・ボンバー」とは書かれてなかった。
 初期設定にあったMH登場以前に活躍した宇宙船爆撃機の名前だ。
 地表を破壊しつくしてしまうため使われなくなったという設定だった。

・授業中に戦争の召集がきて教室から飛び出していく女子高生ミラージュ騎士たち。
 クラスメイトが窓から応援してくれる絵は微笑ましいが何か歪なものに感じる。
 騎士として生まれたからには戦争が始まれば戦争代理人として戦うのが責務である。

・シトロン・メナーは左翼だがアマテラスと同じ2番艦へ。
 ツバンツヒが3日徹夜したという機体でも使うのだろうか。

・2番艦アライメントはミラージュ騎士右翼がメイン。(※Rは右翼、Lは左翼のナンバー)
 隊長はアイシャ(R2)、副官ルン(R19)、ブラフォード(R21)、キュキィ(R23)、
 バイズビズ(L12)、ウラッツェン(R12)、シトロン・メナー(L16)、
 ヨーン(R20)、GTM担当はツバンツヒ(L18)。

・1番艦ベル・クレールはミラージュ騎士左翼がメイン。
 隊長は斑鳩王子(サリオン)(L4)、副官ヒューズ(L5)とディッパ博士(R9)、
 タイトネイブ(L14)、キンキー(L8)、パナール(L15)、GTM担当はマウザー教授(L21)。
 恋ダウド(L13)は待機。さらにゴーズ騎士団のGTM240騎と第1師団を率いる。

・宇宙軍はハインド(R10&L6)、イマラ(R18)とジャコー(A)。
 ジャコーってもうミラージュ騎士のA扱いになっているのか?

・カーマントー星に潜伏中のブローズ(L11)とボー(L3)は不参加。

・ミノグシアにいるマドラ(A)、エフィー(L2)、マキシ(R22)はAP本陣で待機。

・バッハトマ本国にいるエイブ(マエッセン)(L17)はアイシャらと合流予定。

・カイダ(R16)とアーリィ(L7)は決戦地の偵察。

・ログナー(R4)はミラージュや軍の指揮に重圧を感じてそうなサリオンに発破をかけて
 桜子と一緒にヨーンの見届け人として右翼と合流。

・ヨーンとデコースによるGTMでの決闘。
 決闘は主要参戦国から承認は取ってあるがなんと星団で行われるのは数百年ぶりだという。
 騎士個人のGTMでの決闘や手合いはカステポー辺りではよくありそうだが
 国家同士の戦争で互いに騎士を出して決闘させるというのは稀なのだろう。
 母艦は危険なので決闘場から50㎞地点でGTMを降下させる。
 ミノグシアからすれば横やりのような決闘だがアイシャがギラ司令と密に連絡を
 取っていたおかげでスムーズに決闘のお膳立てができた。とアマテラスからお褒めの言葉。
 ベラ戦での貸しも気にしていたようでミノグシア連合はアイシャたちに協力的だ。

・決闘前のヨーンとアイシャの会話。
 トラフィックス4でヨーンはシアンの装甲服を着ずに飛び出し
 パルスエットはそれを届けるためにヨーンの元に向かいトモエに捕まって死ぬことになった。
 ヨーンのトラウマになるとアイシャはその装甲服を返していたが
 シアン夫人は今度こそこの服を着て戦ってケジメを着けろという。
 ヨーンに託された多くの人々の思いと期待は決してヨーンの重圧にならない。
 それこそ初代女帝と剣聖と共に戦ったGTMモルフォを託された騎士の誉れだと。

・こんなにミラージュ騎士団の右翼と左翼が出揃うのは初めてじゃないだろうか。
 ミラージュ騎士が個人レベルで魔導大戦に参戦するぐらいはあっても
 本格的な参戦は3159年のアドラー侵攻までないと思っていた。
 さすがにGTM「Z.A.P.」の使用はまだないだろうけど。

・次回から怒涛のGTM戦が始まるというので楽しみ。

2024年9月11日(水)

○「ファイブスター物語」感想(月刊ニュータイプ2024年10月号)

・扉絵はシトロン・メナー公爵とファティマ・オーバーハイムの絵と解説。
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(本編)
「第6話 アクト6-1 トラフィックス~ターミナル 終着駅」

・フロート・テンプルではミラージュ騎士団とゴーズ騎士団が出払ったせいで
 ガス・ガル連邦や星内の反乱分子が事を起こすかもしれないと
 引退したクリサリス公を司令として東方10ヵ国騎士団を浮遊城に集める。

・ガル・ガル連邦 パライア。
 頭領のハンザキは連邦国内のそういった反抗分子を
 むしろ抑え込んでA.K.D.に貸しを作れという。

・フロート・テンプル朱塔。
 ラキシスはお留守番。何かあったら人外たちが守ってくれる。

・ヨーンが乗ったフリゲート艦が発進。
 決闘の取り決めには双方の見届人以外は10㎞離れる。
 ヨーンにはログナー司令と桜子が付く。
 バッハトマ側は黒騎士団副団長バギィ・ブーフと
 ロッゾのヴーグラ騎士団長グレース・スードルが付く。

・公正を期するために決闘は各国の軍事チャンネルで放送される。
 また結果はあとで全星団に知られる。

・ログナーは国家間の決闘の勝敗で戦争の行方が決まってはたまらないという。
 では何故今回の決闘は成立したのかというとバッハトマ側が受けたからだ。
 黒騎士デコースは相手が因縁のあるヨーンで歴史に残る戦いと考えたか
 ボスヤスフォートも過去の天照家との遺恨があるからかと推察する。

・決闘開始まで40分。
 アイシャたちは決闘場から50㎞地点にミラージュGTMで降下。
 索敵のために展開したブラフォード騎のビヨンド・シーカーが破壊される。

・謎の騎士団が現れる。GTM38騎。

 続く。
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・オーバーハイムのイラストを見て新規絵か?と思ったが
 スーツカラーがオレンジメタルからシルバーメタルに変わってたせいだった。
 メイン色が変わるだけで随分と印象が変わる。

・レオパルト・クリサリス公。元ミラージュ騎士団№11。
 3巻から登場しコーラス・ハグーダ戦でL.E.D.ミラージュの初陣を飾った。
 すっかり老人になってすでに隠居していたが浮遊城を守るため司令となる。
 まだ側にはファティマ・ティータがいる模様。

・ガル・ガル連邦の都市国家パライアの頭領のハンザキ。
 アマテラスの恐ろしさがわかっているのでミラージュ不在の浮遊城で
 事を起こそうとしている反抗分子を抑え込み貸しを作ろうとしている。
 抜け忍になったアーリィもアマテラスの傘下になったことで死亡扱いにしていた。

・ラキシスたちお留守番組。
 女魔帝のフラウ・ダルリハは守りが不安ならと手下のセンチュリオを出してくれた。
 勝手にFネーム・ファティマのミラージュ50番台との間を埋めるように
 ミラージュナンバー40番台を付けている。
 スペクターやポーターもいるので神や悪魔など人外の類が襲ってこない限り安心だろう。

・ヨーンの決闘の見届人として付いてくるのはログナーと桜子。
 ヨーンはやっと小さい子供がログナー司令だと認識したようだ。
 ログナーが衛星軌道上で待機させている「雷丸」は黒いマーク2だという。
 そろそろDr.ダイアモンドが造った「B2型イカヅチマル」の出番かと思ったがまだか。

・バッハトマ側の見届人は黒騎士団副団長バギィ・ブーフ。
 ロッゾのヴーグラ騎士団長グレース・スードルは
 14巻でGTMボイスオーバーGA2を駆った女性天位騎士だ。

・アイシャから頼りにされるミラージュAF(ファティマ)たち7人。モノクロだと分かりにくいが
 左からクラッパ(ルン)、ピレット(ウラッツェン)、スパルタ(バイズビズ)、京(ブラフォード)、
 アレクトー(アイシャ)、オーバーハイム(シトロン・メナー)、アグライア(キュキィ)。

・決闘の立会人はミラージュの新メンバー「キッド」ことハイクル・コリーナが
 仲介でどの国も一切手が出せない立会人が仕切ることになった。
 ハイクル・コリーナはナカカラ防衛戦のファティマリレーの時に
 ソナーのパートナーとして名前と後頭部?が一コマだけ登場した。
 ソナーのスーツに漆黒の花十字が描かれていたので新ミラージュ騎士かと思っていた。
 「キッド」と呼ばれてることから左翼№19のリキッド・オーシャンと予想するが?
 デザインズ7の桜子とニオの家系図にリキッド・オーシャンの名前がある。
 となると立会人はこの家系の関係者か?

・ホワイト・リンクスは久しぶりに見た気がする。6巻の浮遊城動乱時にサリオンたちと共に登場。
 典星舎またはミラージュ魔導団に所属してると思うのだが細かい設定は公表されていない。

・出撃ミラージュGTM。
 ・アイシャ騎「グリット・ブリンガー(若草色)」
 ・ブラフォード騎「ハイファ・ブリンガー(灰色)」
 ・キュキィ騎「グリット・ブリンガー(桜色)」
 ・ルン騎「グリット・ブリンガー(乳白色)」
 ・ウラッツェン騎「グリット・ブリンガー(青灰色)」
 ・メナー騎「キャメラート・ブリンガー(赤色)」
 ・バイズビズ騎「キャメラート・ブリンガー(水色)」

・「キャメラート・ブリンガー(C型)」(旧クロス・ミラージュ雄型)は初登場か。
 「グリット・ブリンガー(G型)」から特殊装備と索敵機能を外した汎用主力GTM。
 当然グリットと似た印象のGTMだが細部が結構違っている。

・ビヨンド・シーカーを撃ち落としミラージュ騎士団の前に現れる謎の騎士団。
 目が頭部に一つ、肩部に二つ付いているような不気味なデザイン。
 デザインズ7で予告されていた排熱構造が異なる新世代GTMらしい。
 アダマス・ダスニカの人造騎士とGTMフドーかな?と予想しておく。
 ボスヤスフォートはヨーグンやダスニカをこの戦いに参戦させてはならないと
 ペールに言っていたがまあ新型GTMの実戦テストとかだろうか。
 もしGTMフドーだったらマウザー教授が製作に関わっているはずだが。

2024年10月11日(金)

○「ファイブスター物語」感想(月刊ニュータイプ2024年11月号)

・「重戦機エルガイム」TV放送40周年Blu-ray BOXのパッケージアートとして
 永野氏が久しぶりに描き下ろしたエルガイムのイラストとインタビューが載っている。

・谷明氏が立体化した現在本編で活躍している「グリット・ブリンガー」を紹介。
 10月12日(土)には「ダッカス・ザ・ブラックナイト」のプラキットが発売。

・扉絵はミラージュ騎士のアイシャ・ルーマーとミシャル・ハ・ルンの絵と解説。
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(本編)
「第6話 アクト6-1 トラフィックス~ターミナル 終着駅」

・ミラージュ騎士団の前に現れたのはメヨーヨ朝廷アシュラ・テンプル騎士団。
 GTMホウライ1個大隊とメヨーヨ大帝のGTM「姫沁金剛 アグニム」。
 アイシャは大帝に戦闘中止要請を出すが大帝は聞き入れない。

・シトロン・メナーはアマテラスが作った対メヨーヨ兵器があることを思い出す。
 後方のセイラーから秘密の武器が射出。アイシャ騎の元に渡る。

・アイシャが武器を展開すると「ハスハ名物ねぎうどん」ののぼり旗がなびく。
 アイシャは呆れるが大帝は全軍を停止して休戦と講和の申し入れる。

  「SMILE of BREEZE MODERETE~そよ風王女~」

・GTMから降りたミラージュ騎士団とメヨーヨ朝廷騎士団が対面。
 大帝はアイシャの顔を見て自分が惚れた女性の素性を察する。
 メヨーヨ朝廷はクラーケンベールがいるかぎり天照王朝には剣は向けないと誓う。
 大帝は自分の剣を不戦の証として渡しアイシャのミラージュ・ガットブロウと交換する。

・大帝はミラージュと共にバッハトマと戦うと宣言。
 メヨーヨ朝廷はバッハトマ同盟軍を離脱。ミノグシア連合に加勢する。

 続く。
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・前回の謎のGTMの正体はアダマス・ダスニカの「フドー」と自分は予想していたが
 まさかのメヨーヨ朝廷クラーケンベール大帝のGTM「アグニム」だった。
 旧設定では11巻に登場したMH「フランベルジュ・テンプル」に相当する。
 色はミラージュのガットブロウと同じ血の色と言っているので濃い朱色だろうか。
 確かに言われると肩と腰のフィン状の放熱パーツがGTM「ホウライ」っぽいが
 放熱構造が異なる新世代GTMというのはどの辺りだろう?

・ミラージュのビヨンド・シーカーを予測して撃ち落とすのは只者ではないと思ったが
 大帝のパートナーでバランシェ・ファティマのアンドロメーダならそれくらいできるか。

・今回はヨーンの決闘が終わるまで枢軸軍とは睨み合いになると思っていたので
 いきなり攻撃するような無法国家はアダマス・ダスニカ辺りかなと予想したのだが
 そういえばメヨーヨ朝廷も結構無法な国家であった。

・アマテラスが対メヨーヨ用に作った秘密の武器は「ハスハ名物ねぎうどん」ののぼり旗。
 9月号でツバンツヒが3日徹夜したというのはこののぼり旗を作っていたのか。
 13巻でワスチャが大帝とジークに交わした「ネギうどん友好締結」のことを
 シトロン・メナーは陛下に報告しますと言っていた。
 ワスチャは絶対ダメと断っていたがアマテラスなら知っていてもおかしくない。
 と事情を知っていたとはいえ対メヨーヨ用にこんな物を作ってしまうアマテラスもおかしいが
 惚れた女性とケンカしない宣言したから国家として敵対しないと決断する大帝も大概だ。

・どうやら大帝は今回までワスチャの素性を知らなかったようだ。
 アイシャの顔からワスチャの面影を見て天照家王女と察したか。
 一緒にいたジークについてはエストから聞いた話で見当は付いていただろうが
 フィルモア王家の複雑な事情はさすがに知らないだろうし
 ジークがフィルモア新皇帝になったことで確信を得た感じかな。
 
・今のエピソードはヨーンの大事な話なのにワスチャが出てこないなと思っていたが
 タイトルを見るにもしかして彼女のメインエピソードでもあるのか?

・あっさりバッハトマを裏切ったメヨーヨ朝廷。
 ボスヤスフォートやペール、デコースなどは気にしなさそうだが
 それに付いてきたバッハトマの騎士たちには動揺が広がりそう。
 17巻で大帝が共同訓練を提案していた同盟軍のコーネラ帝国はどう反応するだろうか。

・初期設定ではMHアシュラ・テンプルはA.K.D.のボオス侵攻に
 L.E.D.ミラージュが相手をしなければ倒せなかったと書いてあった。
 最新設定では大帝は一時的にミラージュ騎士として在籍するみたいで
 今回のことでメヨーヨ朝廷がA.K.D.と敵対するのかも怪しくなってきたな。

・アイシャとしては5巻でトラブルがあったとはいえメヨーヨ朝廷の
 MHアシュラ・テンプルに負けた因縁があるので戦う気満々であったが
 まさか自分の妹がA.K.D.とメヨーヨの友好締結をしていたとは夢にも思わないだろう。
 アイシャはA.K.D.代表として自分のミラージュ・ガットブロウを大帝の剣と交換したが
 もしかしてこの件でアマテラスはクラーケンベールを以前のミラージュ騎士表に書かれてた
 「唯一例外でミラージュ・ガットブロウを持つ」ミラージュ騎士扱いしてくるのか?

・目が細いことが売りなメナーが今回目を見開いて驚いていたのが印象的。
 「ネギうどん友好締結」は見ていたはずなのにこういう展開になるとは予想してなかったか。

2024年11月11日(月)

○「ファイブスター物語」感想(月刊ニュータイプ2024年12月号)

・今年、埼玉の東所沢と愛知の名古屋で開催された「永野護デザイン展」が
 来年に大阪、福岡でも巡回開催されることが決定した。
 サンライズで発掘された数点の新規の原画イラストが追加展示されるらしい。
 いままで遠くて行けなかったという人は是非観に行ってもらいたい。

・扉絵は大帝クラーケン・ベール・メヨーヨとファティマ・アンドロメーダの絵と解説。
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(本編)
「第6話 アクト6-1 トラフィックス~ターミナル 終着駅」

・メヨーヨ軍が枢軸連合を離脱してミノグシア軍に加わり
 アイシャたちミラージュと共に再進軍する。

・ツバンツヒに作らせた「旗ザオ・ガットブロウ」が役に立ったと自分で驚くソープ。
 アイシャのカリスマとワスチャの微笑みこそ初代ミコト様より受け継ぐ主の器だという。

   「FINAL CHAPTER~終章~決戦」

・フリゲート艦が決闘地点に近づきGTMに乗って準備をするヨーン。
 ヨーンを心配する桜子だがジークのことだけではなく
 ルミナスでヨーンの無事を祈ってる子のことも思い出してという。

・ログナーがヨーンに発破をかける。
 ヨーンに最も期待し師と呼べるのは黒騎士デコース。
 自分の戦いができればデコースを満足させエストに勝てるだろうと。

・決闘場。
 黙ってヨーンを待つデコース。
 GTMアゲハに乗って登場するヨーン。
 因縁の対決が始まる。

 続く。
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・単行本表紙作業のため連載のページは少なめ。
 18巻の原稿分はとっくにたまっているのに全然告知されないなと思っていたが
 やっと単行本制作の話が聞けて安心した。来年春ぐらいには発売されるだろうか。

・大帝クラーケンベール・メヨーヨ。ツァ・ベール1世。
 17巻で統一カステポー連合初代大統領になることが明かされた。
 前回のことやミラージュ騎士として在籍することもあるようなので
 アマテラスの星団侵攻にメヨーヨ朝廷が敵対するのか疑問だったが
 後継のツァ・ベール2世がアマテラスと戦うことになるようだ。

・ファティマ・アンドロメーダ。
 クラーケンベールのパートナーで19番目のバランシェ・ファティマ。
 39番目のアレクトーからしたらお姉さま。
 デザインズ6の時はアシリア・スーツで上品で清楚なイメージだったが
 今回は「アグニム」に合わせた深紅のスリット入りのロングスカートで刺激的なデザイン。

・MHアシュラ・テンプルは5巻で描かれたMH破烈の人形との戦いで
 試作型の奇襲に使う隠し腕が公になってしまい生産型では外されたが
 クライマー・パイドル天位騎士の使うアシュラ・テンプルは
 試作機と同じ防御用アームとして「ドラゴントゥース」が使用されていた。

・今回パイドル卿のGTM「紅(ベニ)ホウライ」の4ツ腕が展開される絵が描かれたが
 想像以上に「ドラゴントゥース」そのままで驚いた。
 ワスチャはこんな凶悪そうな紅ホウライに勝ったのか。そりゃ大帝も驚く。

・リブート7巻を読み直したらツバンツヒの解説で彼女の作った「旗竿ランス」を
 アイシャが使いそれが魔導大戦で最も有名な武器になると書かれていて
 今回の「旗ザオ・ガットブロウ」のことを予告してたんだなと感心した。

・やっぱりシトロン・メナーは13巻の「ネギうどん友好締結」のことをソープに報告していたか。

・天照王朝最強のコーダンテ家。
 アイシャのカリスマとワスチャの微笑みは初代ミコト様より受け継ぐものだという。
 初代ミコト様とは9巻で登場したレディオス・フォーカスライト、後の収光帝のこと。

・ヨーンの無事を震えて祈るワスチャがいることをわかってるのかと泣いて訴える桜子。
 ヨーンは「わかんない」と言っているが当然わかっているだろう。桜子に感謝する。

・ログナーはこの決闘でヨーンを最も期待してるのは黒騎士デコース・ワイズメルだという。
 トラフィックス4で背骨を絶たれたヨーンにデコースが罵倒してるシーンで
 多くの読者が「ヨーンの一番の理解者で影の師匠はデコースじゃね?」と思ったはず。
 それをそのままログナーが言ってくれるとは思わなかった。

・初代黒騎士ツーリー・パイドル。
 ログナーの語る黒騎士のイメージで出てきたが彼の姿が描かれたのはこれが初めてか?
 今月出ているメヨーヨ軍のクライマー・パイドル卿とは親戚という設定。

・その歴代黒騎士の技をヨーンに教えたのはファティマ・エスト(バーシャ)だ。
 ただし黒騎士の技だけではデコースには絶対に勝てない。
 いままで自分の人生で手合わせした強い騎士を思い出して
 「自分の戦い」が出来れば「エスト」に勝てると。

・ヨーンと桜子の青春っぷりにあてられ凄く感情的にヨーンに発破をかけるログナー。
 それを見て笑う桜子に頬を赤らめるログナー。なにをイチャイチャしてるんだ。

・「アゲハ(AUGE-HA)型GTMモルフォ・ザ・スルタン」。
 デコースが「ギンギラギンでヨーンに似合ってない」というほど
 派手なシャンパンシルバーの光沢でギラついているみたいだ。
 9月号の時は気付かなかったが頭部の前面のガード部分が無くなっている。

・12巻でアルルのMHエンゲージと戦ったネイパーのMMオージェに相当するが
 あの戦いは全星団に中継されていたので有名な謎のGTMだったはず。
 アルルやセイレイが見たらどんな反応をするか気になっていたが
 セイレイは前に見たことあるな~ぐらいの反応だった。
 アルルもすでにランドから聞いていたのだろうか?

・決闘場近くでコーラスの暴風三王女が揃っているが
 セイレイはアルルのことを「アルルお姉様」と呼ぶ関係になっている。
 14巻を読み返すとベラ戦でセイレイとマロリーが参戦してしまったことで
 コーラス王朝はミノグシア軍に協力することになりアルルを討伐する理由はなくなった。
 この時セイレイはすでに「アルルお姉様」と呼んでいるんだな。

・前回メヨーヨ軍の横槍が入ったので決闘まで結構長引くのか?と不安だったが
 今回一気にヨーンとデコースの決闘直前まで進んだのでテンションが上がってきた。

・まだミラージュ新メンバーのハイクル・コリーナが仲介したという
 決闘を仕切る「立会人」が出ていないが次回登場するかな?

2024年12月11日(水)

○「ファイブスター物語」感想(月刊ニュータイプ2025年1月号)

・扉絵はウモス国のベルミ・クローゼとメラリア・ムックル・ダンチヒの絵と解説。
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(本編)
「第6話 アクト6-1 トラフィックス~ターミナル 終着駅」

・デコースとヨーンのGTMが対峙して決闘の時間が始まるまで待機している。

・ウモス国筆頭騎士メラリアはアマテラスの動きに邪悪さを感じる。
 もし黒騎士が負けたらバッハトマは総崩れとなり連合もなくなるだろう。

・星団法委員会の識別信号を持つGTMが衛星軌道上から決闘場に降下。
 クバルカン法国のローテ騎士団と「破烈の人形 マーク4 マッハ・シャルトマ」が登場。
 星団法に則り決闘立会人はクバルカン法国のイゾルデ・サヤステになったという。
 この決闘は公正さを期するためにGTMマーク4の目を通して各国の軍と騎士団に放映される。
 決闘の邪魔をするものはクバルカンの剣の裁きを受けることになる。

・イゾルデの「始めよ」の声と共にヨーンとデコースの決闘が始まる。

・デコースはエストに回線オープンにしてヨーンと会話を可能にさせる。
 煽るように挑発するデコースだがヨーンは陛下の期待に応え「黒騎士殿」と戦いたいという。

・エストは思う。ヨーンが黒騎士と私に挑んでくるこの時を待っていたと。

 続く。
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・ウモス国筆頭騎士メラリア・ムックル・ダンチヒ。
 初登場は「緋色の雫」のファティマ・リレーの時だったか。
 ウモス国ムックル総統の孫でオデットの元マスターのクローター・ダンチヒの妹の孫。
 ウモス国総統騎士のベルミからは「お嬢」と呼ばれている。

 パートナーは25番目のバランシェ・ファティマ「蘭丸(オーキッド)」。
 祖母のバジャルガ・ダンチヒのパートナーだったが彼女に託された。
 見た目は少女っぽいが半ズボンを履く少年型ファティマ。

・ウモス国総統騎士のベルミ・クローゼ。
 国益のために汚れ役を請け負っているというが
 やってることはドーマ連合と組んでミノグシアの戦いで生まれた難民を拉致して
 カーマントー星の採掘場に労働力として売ることなので悪役であることは変わりはない。
 そのため元青銅騎士団のレスターは追い出されオリバー・メルシュも反発している。

・メラリアはアマテラスの不可解な動きにおぞましき邪悪さを感じている。
 漫画の主人公と思えぬ評価のされ方だが後々アマテラスの星団大侵攻に
 繋がることが分かっているので彼女が優れた慧眼の持ち主だとわかる。
 まだ顔見せ程度だがウモス国とロッゾ帝国のあるカラミティ星キーヤ大陸の南、
 「聖域」で生産された最新型GTMで3100年頃から活躍するようだ。

・この決闘はヨーンが負けてもアマテラスやA.K.D.の評価が下がるだけで無くなることはないが
 デコースが敗れたら新興国のバッハトマは総崩れになり連合はなくなるだろう。
 ウモス国とロッゾ帝国はそろそろ頃合いだと感じておりメヨーヨ朝廷も裏切った。
 ガマッシャーン共和国のナオはフィルモア皇帝がサイレンの理想を受け継ぐと確信できたら
 フィルモアに協力してバッハトマ帝国を倒すと言っていた。

・GTM「破烈の人形 マーク4 マッハ・シャルトマ」。
 ベースは「破烈の人形 マーク3 ザ・ダルマス」とかなり近いが
 GTM形態で頭部の装甲と背面の翼部が大きなVの字になっていて
 腕部のフライヤーも曲面を描いた形になっている。装甲色は赤だろうか。
 突然のマーク4登場で驚いたが以前の連載扉頁のファティマ・バルタンの説明で
 「トラフィックス~ターミナル」に登場予定で彼女の駆る「マッハ・シャルトマ」は
 非常に重要な役目を負って飛来すると書いてあったので察するべきだったか。

・決闘立会人はクバルカン法国のイゾルデ・サヤステ。
 パートナーは工場製の銘無しのファティマ・バルタン。漫画では初登場。
 決闘立会人はミラージュの新人ハイクル・コリーナが仲介したみたいなので
 誰がなるのか色々想像してたがクバルカンのイゾルデとは予想外だった。
 彼がリキッド・オーシャンならフィルモア帝国のニオ・ハスラーと血縁があるが
 そこからフィルモア新皇帝の円卓の騎士の彼女に立会人になってもらったのか?

・イゾルデの騎士服がクバルカンのものではなくフィルモアの騎士服なことに驚く騎士たち。
 フィルモア新皇帝の円卓の騎士にサヤステ家が付いたと認識したようだ。

・ソープはGTMアグニムやマーク4が来て戦艦から降りて生の目で見たそうだ。
 14巻のベラ戦でもラキシスにGTMが見たいだけと言われてただけはある。

・決闘が始まりオープン回線で会話するデコースとヨーン。
 前回ログナーにヨーンの戦いにもっとも期待して師といえるのはデコースだと言われて
 色々と思うところがあったのかデコースの挑発にも「黒騎士殿」と応える。
 その応えにデコースも冷静になり「伝説の戦いにしようぜ」と決闘を始める。

・ヨーンが黒騎士と自分に戦いを挑むことに笑みを浮かべるエスト。
 モラードはバーシャ時の記憶はエストに戻った時に消去され
 エストはヨーンのことは何も覚えていないと言っていたが
 この顔を見るにやはりバーシャの意思か記憶が残っていると考えるべきか。
 バランシェはエストのシステムは突然変異だと言っており
 モラードも抜けてるとこがあるのでエストのことをどれだけちゃんと把握してるか怪しい。
 その笑みは10巻118頁でデコースに見せた怖い顔に近い。

・ついに決闘が始まるがヨーンの操縦するGTMモルフォがどう戦うのか注目したい。

2025年1月11日(土)

○「ファイブスター物語」感想(月刊ニュータイプ2025年2月号)

・NTの付録には「FSS特製クリアファイル」。
 イラストはファティマ・エストとGTMダッカス(デコース)とGTMアゲハ(ヨーン)。

・Xの公式アカウントでも告知をしているが今月の漫画は休載。
 連載は来月の3月号で再開するようだ。
 これから「ヨーンvsデコースの決闘」が始まるというところで休載は残念だが
 長年の読者としては2016年の14巻分の連載から
 単行本作業、デザインズ、デザイン展の準備などを同時進行しながら
 コロナ禍以外で休載していなかったことに驚いている。
 作者は今月で65歳になるというので健康に気を付けて連載を続けてほしい。

 単行本18巻の表紙絵が完成したようだ。
 18巻の内容的にチャンダナかパルスエットのどちらかの絵になるかなと想像したが
 今月のイラストを見るに表紙は「緋色の雫」のエピソードで活躍した「チャンダナ」かな。
 単行本18巻の発売日は3月10日に決定したとXで告知された。

・大阪で開催される「永野護デザイン展」の特集記事。
 追加展示される4点のイラストが掲載された。
 デザイン展で95年頃に企画された「劇場版ダンバイン」用に永野氏がデザインした
 オーラ・バトラー「グルビデンス」のアイデア稿(線画)が初公開されたが
 今回その後に描かれたカラーのイメージボードが初公開された。
 「グルビデンス」の線画を見た時はこっからMHファントムになるのか?と思ったが
 カラーイラストではさらに特徴的な2本の角が強調されてよりファントムに近くなっている。

・「炎の魔女(ファイア・ウィッチ)」という絵はサンライズ入社以前(82年)のもの。
 作者は「炎の魔女」という題材で何度も絵を描いているようだ。
 FSSでそのイメージは「リトラ」や「炎の女皇帝」などに引き継がれている。

・立体物ではボークスから「フルトリム・ブリンガー(フォクスライヒバイテ)」が公表された。
 14巻のベラ攻防戦でアイシャが搭乗したGTM。改めてヒロイックなデザインのロボだと思う。
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・Youtubeの「FF11 A.M.A.N.とLIVE!第7回」のゲストで永野護氏が生配信で登場した。
 ビデオゲーム遍歴から「FF11」との出会いなど1時間近く熱弁している。

・永野護とゲームと言えばRPGなら「ドラゴンクエスト」、「ファイナルファンタジー」、
 格闘ゲームなら「バーチャ・ファイター2」、「鉄拳」、
 オンラインゲームなら「DIABLO2」、「ファンタシースターオンライン」のイメージだったが
 「FF11」や「FF14」、「DQ10」もやっていたようだ。

・一番好きなFFは「FF10」と答えていたのが結構意外だった。
 (勝手に90年代のFFが好きそうとか思っていた。)

2025年2月12日(水)

○「ファイブスター物語」感想(月刊ニュータイプ2025年3月号)

・単行本18巻カバーイラスト公開。

・扉絵は「マウザー教授のGTM特別講義 装甲の歴史」。
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(本編)
「第6話 アクト6-1 トラフィックス~ターミナル 終着駅」

・ヨーンとデコースの決闘が始まる。
 ダッカスのビーム攻撃からの流し打ちを全てかわし前に出て次手を潰すヨーン。

・二人の戦いを見て各々の反応をする騎士たち。
 ヨーンの野良出身とは思えぬその立ち回りは騎士のお手本のような動き、
 デコースはそれ以上に踊っているような美しい動きで見惚れるとイゾルデはいう。
 バギィは両者の動きに驚きグレースはまるで師匠と弟子の戦いだと評す。

・デコースはヨーンの動きを見てエストに攻守のパワー制御を任せる。
 ヨーンとの初めての立ち合いを思い出し面白い付き合いだと笑う。

・ヨーンの今の気持ちはパルセットへの償いも陛下の勅命も忘れて
 ただ黒騎士に勝ちたいという想いだけ。

 続く。
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・単行本18巻カバーイラスト。公式のXアカウントでも見れる。
 先月号で匂わされてたように表紙のファティマは18巻で活躍予定の
 ダイ・グのパートナーでカイゼリン・スーツを着込んだ「チャンダナ」。

・「マウザー教授のGTM特別講義」の2回目。
 初回は19年12月号の連載扉でデザインズ7にも収録。
 今回は装甲の話だが半分は現実の戦車装甲の歴史解説になっているな。
 その上でジョーカー太陽星団のGTM装甲はヘリオス鋼のタネを結晶生成させて
 一発成形させるという未来的技術で造っていることがわかる。
 何気に地球の1945年に飛んでベルリン攻防戦に参加していたラキシスが解説してる。

・ついに始まったヨーンとデコースの決闘。
 序盤はまるで少年漫画王道の師弟対決のような戦い。

・見開きでヨーンのGTMモルフォのフライヤーが翼のように展開して放熱放電している。
 オージェ・バインダーに相当するモルフォの「バックライド・リジット・フライヤー」。
 初見は三対の翼のようなものかと思ったが一枚のフライヤーからスライドして長く伸びている。
 「君主の太陽蝶」と呼ばれアゲハ蝶の羽のイメージなのだろうがカラーで見てみたいな。
 こんな派手な装備に意味があるのかと思うが「はったりと威嚇」と説明されている。

・GTM戦ではビーム攻撃はバリアで弾きバリアがない関節部も
 出力を上げた状態では放射冷却の電磁波で中和されると
 セイレイが生徒役になり読者のために説明してくれている。
 ヨーンがビーム攻撃を剣で受けていれば瞬間デコースが懐に入っていたという。

・イゾルデがヨーンの戦いを見て野良とは思えぬ騎士のお手本のような動きだと言う。
 これは12巻でもブラフォードがヨーンについて同じ評価をしていた。
 自分のような無頼の型ではなく立派な騎士の基本ができていると。
 ヨーンは少年時代からバーシャ(エスト)によって超一流の騎士として鍛え上げられていた。

・GTMの予備のガットブロウが両者3振りずつ後方に用意されていると確認される。
 わざわざ言及したということはこの決闘はお互い剣を交換しつつ長期戦になりそう?

・エストはデコースから攻守の切り替えのパワー制御を任されて涙を溜めて喜ぶ。

 ここで少しデコースとエストの関係を振り返ってみる。
 デコースはファティマを嫌い性能的に劣ると言われるエトラムル型を好んで使っていた。
 10巻でエストのマスターになったのも「黒騎士」という「銘」のためであった。
 11巻の黒騎士としての初陣でデコースはエストの意見を脅して委縮させていたが
 14巻でミースにファティマの扱い方を怒られ機械のメンテナンスとして
 エストに宝石をプレゼントするなど感情的にならず接するようになった。
 15巻の「破烈の人形」戦ではエストの機転でバリアを張り助かったことでデコースの信用を得る。
 17巻ではミースにエストの制御プログラムについて質問攻めにしていたようだ。
 前回エストにはバーシャの記憶があることが判明してヨーンとの戦いを望んでいた。
 デコースは今回の喜ぶエストを見てただマスターの命令に従う人形ではなく
 自分が鍛え上げた騎士と全力で戦う(叩き潰す)ことに喜びを見出す
 同類の残酷性みたいなものを感じて嬉しそうだったのかな?と思った。

・ヨーンとデコースの戦いはログナーが見たところデコースのオモチャにはなっているとのこと。
 パワーはモルフォが上だがダッカスとエストは「シンクロナイズドフラッター」で能力が底上げされている。
 バクスチュアルのGTM戦闘モード「ザ・ブライド」も最強クラスだというがまだ未知数。
 バーシャから学んだ騎士の基本とデコースの影を追いかけて身に着けた剣技だけでは勝てそうにない。
 デコースを上回るもう一押しが欲しいものだが。

・来月のNTは表紙、巻頭特集。単行本18巻も発売されるので楽しみ。

2025年3月12日(水)

○「ファイブスター物語」感想(月刊ニュータイプ2025年4月号)

・NT創刊40周年記念特大号。「FSS」巻頭特集。
 18巻表紙絵とNT表紙絵の両面B2ポスター。
 スペシャル対談「美樹本晴彦×永野護」。

・扉絵はバクスチュアルが第7話「フル・フラジャイル」ついて予告している。
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(本編)
「第6話 アクト6-1 トラフィックス~ターミナル 終着駅」

・中継でヨーンの決闘を観るシアン夫人。
 隣に現れたのはネリスという騎士とファティマ・クラトーマ。

・同じく中継で決闘を観るクリスとファティマ・町。
 かつて町とクリスの父バーバリュース・Vはデコースと戦った。
 だがデコースを倒し切れず逃がしてしまった。
 それが後にデコースがエトラムルでユーレイ部隊を倒したと話がすり替わっていた。

・そもそもデコースが使っていたGTMはライモンダではなくエトラムルでもなかった。
 あれは禁断のロスト・テクノロジー「ヘ・リー聖域」のGTMと制御人形だった。

・再びヨーンとデコースの決闘場面。
 エストはモルフォ可動部の過熱による運動低下を狙っていると
 ヨーンとバシクは先手を取ろうとするがモルフォの動きが一瞬止まる。
 デコースはフェイントだと疑いエストも予測外の反応。バシクもモルフォも戸惑った。
 ヨーンだけ今の挙動に気付いていない。

・観戦するソープも何かに気付く。
 ログナーのところに降りるとツバンツヒに船団の指揮を任せる。

・先手ばかりを取られジリ貧となったヨーンの頭に浮かぶのは
 ログナーに言われた人生で手を合わせた強い騎士を思い出せという言葉。

 続く。
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・NT創刊40周年記念特大号。
 表紙イラストは「GTMモルフォとファティマ・バクスチュアル」。
 GTMに変更後はザ・ブライドの姿だったが今回はデカダン・スーツを着ている。

・コミックス18巻の振り返りとしてパルスエットの生涯と
 チャンダナから始まったバランシェ系ファティマのファティマ・リレーに
 参加したファティマ総勢66人を4頁にわたって紹介。

・スペシャル対談「美樹本晴彦×永野護with川村万梨阿」。
 マクロスで有名な美樹本晴彦とデザイナー対談。
 アニメ業界で同世代のクリエーターだが親しい友人とは知らなかった。
 マクロス劇場版のポスターを描く美樹本氏を目の前で見て衝撃を受けた永野氏と
 画材に行き詰っていた美樹本氏に永野氏が後押ししたりとお互い影響しあったようだ。

・ボークスから1/72「グリット・ブリンガー =ボォス3070=」が紹介。
 オプションでアイシャ騎の「旗竿」ガット・ブロウが付属される。

・第7話「フル・フラジャイル」ついて予告。
 第7話の構成エピソードと8話までの道筋が語られている。
 気になるのが8話に出る予定のE型「エンパイア・ブリンガー」の名前。
 デザインズ6では「エンツート・ブリンガー」だったが変更されたのか。
 初期の「ヤクト・ミラージュ」はE型で別名「エンペリアル・ミラージュ」だったが
 デザインズ1で生産時点ではE型だがJ型になったとされた。
 (旧J型のジュノーン/ジャッジメント・ミラージュはAm-J型に変更)
 E型「エンパイア・ブリンガー」とJ型「デトネーター・ブリンガー」を
 分けて書いているということは別騎体ということになるが?

・今月の連載はヨーンとデコースの決闘を見守る騎士たちが描かれるかなあと
 油断していたら新設定が沢山出てきてデザインズをひっくり返すことになった。

・シアン夫人に「ネリス殿」と呼ばれて登場した新キャラ。
 「永野護デザイン展」の大阪会場のサインボードに追加で描かれた人物。
 純血の血族でネリスというと剣聖ナッカンドラ・スバースの長女ネリス・バスコ・スバースだ。
 ネリスの息子が剣聖デューク・ビザンチン、孫が剣聖ヘリデ・サヤステ。
 彼はそのネリスに顔が似ているからと同じ名を付けられたようだ。
 自分を騎士の血の出ない「下家(ウゴード)」、ボードは「正家(アラド)」と言っている。
 デザインズ2の純血の騎士の家系図を見ると剣聖スバースの次女のアラド・バスコ・スバースと
 旧レント国王ジェスター・ルースの子供にウゴード・ルースがいる。
 ウゴードは血族でありながら騎士の血も魔導士の血も発現しなかったことから
 「下家」なんて言われていると思うが家系図を見るとボードは「下家」だ。
 さらにネリスは「下家」の人間と言いながらナイトマスターの紋章を付けている。
 頭が痛くなってきたが単純に天照家の家系図のように新設定で
 純血の騎士の家系図に変更が入ったのかもしれないので作者に解説されるまで待つか。

・ノーディカの友人と言われると話の流れとして浮かぶのはアニー・ポロニウムだろうか。
 デザインズ7にノーディカ重産業都市国家に属するガーランドにアニー・ポロニウムがいて
 彼女は「ヘ・リー聖域」のガーランドのヘアリオ・ノーベリウムを知っていると書かれている。

・ファティマ・クラトーマは12巻で剣聖慧茄とMHファントムを駆っていたが
 慧茄の年齢的に手放されこのネリスをパートナーにしたのかな。
 初期のイラストと比べるとどんどん幼くなっているように見える。

・デコースの戦いを観戦するクリスとファティマ・町。
 クリスの父でかつてフィルモア帝国三銃士の一人だったバーバリュース・Vは
 バランシェ・ファティマとGTMユーレイを駆って中古のGTMとエトラムルで戦うデコースに敗北した。
 それが原因でクリスはクラスでいじめにあい殺人に至った。その責任を取る形で父が自刃。
 つまり間接的にせよクリスにとってデコースは父の仇で自分の辛い境遇の原因だ。
 なのでクリスはデコースに対して遺恨があるのではと思ったが割とさっぱりとしていた。
 ダイ・グの死を乗り越えて「エンペラーズ・ハイランダー」になった者として色々吹っ切れたか。

・デコースに対して遺恨があるのはファティマ町の方。
 バーバリュース・Vがデコースに負けたというのは曖昧な話から尾ひれの付いた噂話で
 実際はデコースを倒し切れず逃がしただけだった。
 さらにデコースの使っていたGTMはライモンダ(MHデヴォンシャ)ではなくエトラムルでもなかった。
 なんと彼が使っていたのは「ヘ・リー聖域」のGTMと制御人形だった。

・という訳でデコースに対する根本的な認識がひっくり返ってきた。
 10巻のスパンタウゼンの話で「バーバリュース・V+ファティマ・町+MHサイレン」が
 「デコース+エトラムル+中古のMHデヴォンシャ」に敗北したというのは
 いくらデコースが(剣聖を除く)最強クラスの天才騎士だったとしても
 バランシェ・ファティマに認められた騎士であるバーバリュース・Vが不甲斐ないと思っていた。
 つまりデコースは1巻以前からビューティー・ペールたちの息がかかっていたということになる。

・作者が1巻を描いてた頃からその事を考えていたとは思わないが
 ソープが「動きに優雅さがない」と言ったエトラムル型搭載のMHはヘルマイネだったので
 デコースが駆っていたMHバルンシャにはロスト・テクノロジーが使われていた可能性があるか?
 さすがに「ソープ+ファティマ・ラキシス+MH K.O.G.」には勝てないだろうし。

・「ヘ・リー聖域」。
 カラミティ星のウモス国とロッゾ帝国があるキーヤ大陸の南端にある。
 かなり以前からカラミティ星にある怪しい土地として前振りがあった場所。
 その正体はAD世紀以前のアズデビュート紀の超古代文明を引き継ぐ聖域。
 デザインズ7の解説ではアズデビュート紀はモイキュードとの戦いが決着して
 モナークの管理人が「モンソロンのアズデビュート数式生命帝」と呼ばれていた時代だ。

・「ヘ・リー聖域」でアズデビュート紀の遺産を引き継ぐ者たち。
 ・「カカラック・ガジー」…融合制御人形。GTMの頭脳と直結する制御機械。
 ・「アイアイン・ドライゼ」…GTMガーランド。デザインズ4で謎のガーランドと書かれていた。
 ・GTM「シャイレンドラ」…ドライゼ博士の試作的GTM。
 ・「アアーボ・ランタノイド」…ファティマ・ガーランド。アダマスの人造騎士の製作。

・「アズデビュート・オピロテック・メル・アザミド・XXVII」。
 古代のボルテッツ・パワー(オピロテック)を持つ魔女。
 ビューティーペールが太古の人形を復刻した人造人間。
 と「ヘ・リー聖域」の重要人物が紹介される流れで突如混ざってくる「メル・ズーム」。
 17巻でアマテラスはビューティー・ペールと禁忌の技術を危険視していたが
 「あの子どこいった?」とか言ってメル・ズームを見失っている。
 デザインズ7のミラージュ魔導団に名前があるので戻ってくるのかな。
 星団の騎士とボルテッツはAD世紀の炎の女皇帝ナインが産んだものという設定だが
 古代のボルテッツ「オピロテック」は別の技術体系から産まれたものだろうか?

・先手を取りたいヨーンの動かすGTMモルフォが一瞬止まる。
 これはヨーンが取りたい動きにモルフォとバシクが理解できず止まってしまったということか?
 デコースはフェイントかと思っているが肝心のヨーンが気付いていない。

・エストの「シンクロナイズド・フラッター」の説明を少年兵にするツバンツヒ。
 GTMの竜骨やツインスイングは動くときに自重を支えながら浮く。
 戦闘時のGTMは230トンから70トンくらいまで減る。
 この自重を軽くする状態を「セイル・ロコモーション」と呼ぶ。
 エストはダッカスの自重を自在にコントロールして
 ダッカスと相性のいい騎士をパートナーにすることで飛躍的に強さが得られる。

・ログナーの言葉を思い出して強い騎士を想い浮かべるヨーン。
 剣聖剣技を使ってみようとするがバシクに「負ケタラハラキリ」と呆れられる。
 なんだかんだヨーンとバシクは上手くやっている気がするが。
 バシクはGTMの開発・制御のために情緒や感情を抑制されているという設定で
 昔の感情のないロボットのイメージかカタコト語で喋っている。
 今では流暢に喋るロボットも珍しくもないのだがキャラ立てに役に立ってるからいいか。

・ヨーンの思い浮かべるケタ違いに強い騎士として
 アイシャとリリの姿が現れたが果たしてまだその先に誰かいるのか?

2025年3月20日(木)

○「ファイブスター物語」18巻 感想

18巻分連載時の感想はこちら。

・17巻発売からちょうど2年ぶりの新刊発売。
 連載が結構進んでいるので去年の冬頃には発売されるかと思っていたが
 去年は「永野護デザイン展」とデザインズ7の発売があったので仕方がないか。

・表紙はカイゼリン・スーツを着たバランシェ・ファティマ「チャンダナ」。
 裏表紙の紋章はダイ・グ・フィルモアの皇帝紋。歴代皇帝に与えられる個人紋章。

・18巻の内容はナカカラ防衛戦の「緋色の雫」と
 ヨーンがミラージュ騎士になる「トラフィックス4」まで。
 特にファティマ・リレーでバランシェ系ファティマが総登場するのが見どころか。
 巻末にはファティマの解説と炎の魔女のイメージイラストと解説が載っている。

・登場人物のページで初出の絵はアルカナ・ナイトの4人、
 そして突如登場して読者を困惑させた「スピリッター・クージャ・テンパラー」。

・連載との変更点は細かい誤植や台詞の修正、背景トーンの追加ぐらいかな。
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○「第6話 アクト5-1 緋色の雫」

・GTM「バンシーカ(メロウラ)」
 17巻ラストでクリスの乗るGTMが帝騎「ナキメーカ」と紹介されたのに
 18巻で台詞を足してまで「バンシーカ」に修正されている。
 「メロウラ」→「スクリーマー」→「ナキメーカ」→「バンシーカ」という流れ。
 兵器が開発者、搭乗者、活躍時期や陣営によって呼称が異なるのは分かるがさすがに混乱する。
 装甲デザインも巻頭のイラストとは違いナカカラ防衛戦ではカイゼリンに似た装甲をしている。
 次にクリスが活躍する時(おそらく「カーマントー解放戦」)に装甲を戻すのだろうか?

・GTM「ダス・ゴースト(ウィリーズ)」
 ダイ・グの乗騎で皇帝騎。MHプロミネンスに相当。
 ドナウ帝国時代に製作されたカイゼリン型GTM4騎の一つ。
 1番「カイゼリン」2番「メロウラ」3番「グーガント」4番「ウィリーズ」の順に製作。
 クリスの窮地に助けにダイ・グのGTMダス・ゴーストが登場するシーンは
 11巻のダイ・グのMHプロミネンス登場シーンを想起させる。

・GTM「ブーレイ・ロウカン(琅玕)」「ブーレイ・オデオン」
 57頁のパラーシャの説明通り「ロウカン」は2巻に登場したMH「ブーレイ・スプートニク」、
 「オデオン」は11巻でフィルモアの騎士団と戦闘したMH「ブーレイ・ボストーク」に相当する。
 デザインズ6の新旧名称の対応表から変わっているので注意。

・「ドリュー・ゼレ将軍」
 フィルモア帝国ノイエシルチス元「氷グループ」の指揮官で
 システム・カリュギュラの騎士で天照王朝の貴族という謎の多い人物。
 なんと2巻の91頁の5コマ目にいる「朱」のマークを付けた騎士が彼だという。
 仕事に徹するプロの傭兵騎士といった感じだがダイ・グの皇帝としての言葉を
 待ってくれたり戦闘の引き際をわきまえていたりと中々の好人物。

○ファティマ・チャンダナによる全星団通信乗っ取りファティマ・リレー。
 今巻のクライマックス。40年近くの連載を経てバランシェ系ファティマが全員総登場した。
 作者はダイ・グの演説の前のファティマ・リレーでこんなに頁を割くつもりはなかったが
 バランシェ系ファティマを有する星団各国の騎士や国家の動きを見せるのに便利で
 なによりも「ファッション・ショー」を描きたくなったようだ。

・92頁に「63人分 44+4+4+4+4+3」と書かれているが
 連載では「61人分 45+3+2+4+4+3」と書かれていた。
 単純に計算間違いか「この世にいない」判定があやふやだったか。

・バランシェ・ファティマ44人、バランシェ工場製ファティマ4人、バランシェ製エトラムル4体、
 リチウム・バランス4人、アルセニック・バランス4人、シルバー・バランシェ3人、という計算だとすると
 バランシェ・ファティマ(マキシを含めて)46人の内BF-03.バランスはボディだけなので除外、
 令令謝はすでに亡くなっていて代わりの零零はFネーム・ファティマなので除外。
 リチウム・バランス6人の内、インタシティは9巻で亡くなって
 アウクソーの中にいるフォーカスライトはボディがないので数えない。

・121頁のアマテラスの台詞「この世にいないバランス家の4人」とは誰か?
 連載時から読者に向けてクイズを出されて色々と議論されたが
 作者によるとフォーカスライトとインタシティと令令謝の3人が確定。
 なので自分は「この世」ではない異次元にいるドアランデアスティルーテが4人目かと思ったが
 彼女の登場後もデザインズ7の夢の令令謝の解説で作者は言葉を濁しているので違うのかな。

○フィルモア帝国皇帝ダイ・グの命を賭けた演説。
 12巻で語られたようにフィルモア帝国が存在するカラミティ星の崩壊が近いことがわかっていて
 ボォス星のナカカラにフィルモア帝国を確立させることがダイ・グの皇帝としての役割だった。
 その役割に重圧を覚えていたダイ・グは16巻でラキシスにアマテラスならどうするのかと聞くと
 「アマテラスはそんな責任ほっぽり出して逃げる」と答える。
 それを聞いたダイ・グは皇帝としての重圧など考えず自分の心に素直に行動しようとする。
 それは「クリスティンを守る」と「フィルモアとナカカラ、互いに流れる血を減らす」だ。
 演説内容は「フィルモアがナカカラを武力や経済で支配するのは許さず、
 古から続くミノグシアとフィルモアの友好」だった。
 これを聞いた多くの星団民は全星団の通信で緊急放送する程の内容か?と思ったかもしれない。
 しばらく元老院がおとなしくなってもナカカラを守るフィルモア皇帝を見殺しにしようとした
 ナカカラ王国はフィルモアと国民に糾弾されいずれフィルモアの支配化になるだろう。
 ただダイ・グの純粋な願いは星団の一部の人達の心に大きく影響を与えることになる。
 一番心に動揺を与えたのはフェイツ公国のカフェでワスチャと演説を聞いていたジークボゥだ。

○「スタント遊星 恒星バスター系 惑星シャグジャリグリ・トウオ」

・ファティマ「ドアランデアスティルーテ」
 「緋色の雫」のラストで満を持して登場した最後のバランシェ・ファティマ。
 単行本17巻表紙のファティマだが公表された時はまだ連載でも登場してなかった。
 現在スタント遊星の恒星バスター系の異次元世界に存在する。

・「トワイス・カテリ枢機卿」は18巻では名前が出てないがちょっと解説する。
 11巻巻末のファティマデータにドアランデアスティルーテのマスターと設定されていて
 おそらくミューズの後の静のマスターになると思われる謎の多い女性騎士。
 星団暦1750年に姉の詩女ナージュグの要請でGTM「破烈の人形」に乗って
 恒星バスターの調査に向かうが帰って来たのはGTM「破烈の人形」とシン・ファイアの記録のみ。
 それから1000年後、星団暦2770年に詩女ジキジディは剣聖カイエンにトワイス・カテリ救出を依頼。
 カイエンは令令謝とドアランデアスティルーテを連れてGTM「破烈の人形」で恒星バスターに行く。
 しかし詩女ジキジディの元に帰って来たのはGTM「破烈の人形」と衰弱したカイエンのみ。
 詩女ジキジディはラーンの地下にカイエンを封印して後の詩女ボルサがカイエンを覚醒。
 復活したカイエンに当時の記憶は残っていない。
 10巻122頁で東の君が桜子の母の詩女フンフトについて「カイエンを復活させた」と言っているが
 これは東の君の勘違いで詩女の設定がまだ整理できてなかった作者のヘマだと謝っている。

・GTM「破烈の人形」を操縦してカイエンと一緒に星団に来た令令謝(のふりをした零零)は
 詩女に会うと正体がすぐにばれるので聖宮ラーンには行かずバランシェの元へ。
 バランシェは「ぴっぴきー演算」とか言ってる彼女を壊れていて治せないと判断。
 14巻で母の妹のヒュートランに豆腐の角をぶつけてぶっ壊したのは彼女だ。
 このせいでヒュートランのダムゲート・コントロールは外されている。
 それを見ていた京と被害者のヒュートランは彼女は何か怪しいと強気に出ていた。

・「スピリッター・クージャ・テンパラー」
 ドアランデアスティルーテと共にいきなり登場した奇怪な物体。
 最初の印象はブレンパワードとシェルブリットの「シェル・スレーブ」を混ぜて生体っぽくした感じ。
 作者によると最新の永野メカらしい。頭部と腕部だけで脚部はない。
 恒星バスター系の惑星シャグジャリグリ・トウオの世界の「ヒト」に相当する存在のサポートをする。
 ジョーカー星団の人間にとってのファティマやMH・GTMみたいなものだろうか?
 スピリッターのランクは上から白(クージャ)、青(執政者)、緑(官僚)、灰色(一般民)。
 白より上がいるがスタント遊星攻防戦まで登場しないという。
 143頁は「青印(執政者)が緑台(官僚)を巻き込み灰群(一般人)を再び支配下に置こうとしている」
 「青よりランクが上の雪弁(ホワイト)としてはなんとかしないといけない」といった会話だ。

○「第6話 アクト5-2 トラフィックス4 終わりの始まり」

・「アーリィ・ブラスト」
 15巻でバッハトマ黒豹騎士団副団長として登場。ヨーンと戦うが一目惚れ。
 17巻45頁で「彼女の行動が魔導大戦終焉のきっかけとなる」と予告されたが
 それが今回のエピソードなのかなと思っている。
 アーリィは上官の命を狙うヨーンに惚れて近づいたがそれをトモエに利用される。
 ヨーンはデコースと再戦して重傷。パルスエットは殺され私闘の結果を公開され辱められた。
 アーリィも処分されそうになるがトモエを殺し抜け忍になる。

・結果的にバッハトマ帝国は黒豹騎士団の団長と副団長を失い
 私怨と感情だけで抜け忍になったアーリィはカイダからミラージュ騎士団に誘われ
 ヨーンはミラージュ騎士団に入団してデコースを倒すようにアマテラスから勅命を受ける。
 これが魔導大戦終焉のきっかけということか。

・詩女の命を狙いナオに倒された人造騎士が残した言葉「ゾ・ルゴウカ」。
 アマテラスだけではなくヴィーキュルの女魔帝ダルリハさえ知らない言葉。
 モナークの素子姫であるイエッタは知っている。当然ログナーも知っているだろう。
 ただし二人は星団暦の住人として振舞いその知識で星団暦に干渉しようとはしない。

 連載扉のデザインズ7について収録されないのは3100~3159年組の
 「ダスニカ」「ヨーグン」「モイキュード・スペラクター ゾ・ルゴウカ」と書かれていた。
 モイキュードとはデザインズ1の時点ではカレンたちタイカ宇宙と敵対するバスター宇宙の神の名前。
 ただし13巻以降GTMになってからはヴィーキュル(悪魔)と合わせて設定が変更されて
 あくまで天照大神に作られたジョーカー宇宙の異次元の邪神となっている。
 漫画でモイキュードの名前が最初に出たのは16巻144頁でポーターが
 「アクト・リジット・オーバーロード(太剛神)モイキュード」と言っている。
 17巻174頁では女魔帝が「ヴィーキュルの仲介者でスタント遊星を星団に持ち込んだ」と言っていた。
 「ゾ・ルゴウカ」はモイキュードの名前の一部か、それに関連するものだと思われる。
 となると17巻で登場したビューティー・ペールとヨーグンとダスニカの連中は
 そんな悪魔か邪神が関わる超太古の技術で人造騎士を作らせたことになる。

・ヨーンが剣を取りミラージュ騎士団に入団。
 ヨーンのイラストが最初に公開されたのは「キャラクターズ1(1988年発行)」だと思うが
 まさかミラージュ騎士団に入るまで30年以上かかると作者も思っていなかっただろう。

・パルスエットの死に関しては連載時の感想(23年7月号)で長々と書いたのでそっちで。
 そういえば今月のNTのFSS特集でパルスエットの生涯を振り返っていたが
 そこに18巻237頁の「マリエ(ウェディングドレス)の女性」のイラストが載っていたので
 彼女がパルスエットで間違いないだろう。そこにどんな意味があるのかはまだ不明。

・ファティマ「ブライド」。
 開発専門のファティマ・バクスチュアルのGTM戦闘モードの名前。
 着てるスーツは11巻表紙の姿とほとんど同じ。
 11巻10頁のイメージシーンでエストと対峙するヨーンの隣にいるのがブライドと思われる。
 そのシーンが描かれるのは近い。

・「AUGE=HA(アゲハ)型GTMモルフォ」。
 10巻ラストに登場したグリーン・ネイパーのマシンメサイア「オージェ」のGTM版。
 12巻でアルルのSR1と私闘で戦ったのでアマテラスに怒られて取り上げられる。
 AD世紀のスミロ・フレームなので普通のファティマではコントロールは難しいが
 ファティマ「ブライド」は難なく制御をしてみせる。
 18巻110頁で「ブライド」の隣にいるファティマ「シシステルケスレム」が言っていた
 「バックライド・リジット・フライヤー」とはこのGTMモルフォの肩から広がる羽状のもののこと。
 「オージェ」の「オージェ・バインダー」に相当する。
 ちなみに7巻でブラフォードが倒したMH「オージェ・アルスキュル」は
 18巻113頁のユリカが言うにはGTM「トリバネル・アルスキュル」という名前だったようだ。

○「完全情報共有体 オーバー・マインド」。
 連載でもボードの台詞に「個であり全(OVER MIND)」とルビが入っていたが
 「完全情報共有体 オーバー・マインド」というのは今巻で初めて出たワード。

・長年のFSS読者は「オーバーマインド」と聞くと
 エピソードガイド(97年発行)で解説された全能神の枠組みを超える何か、
 「大君主 ビヨンド・クラスファー・オーバーマインド」が出てくるがそれとは別のものだろう。
 16巻で「大君主バフォメート」の名前が出た時はついに全能神以上の存在が登場するのか
 と思ったらあくまでヴィーキュルの神的存在でミラージュ騎士のヴィクトリーだった。
 デザインズ1で「大神望 ビヨンド・クラスファー・オーバーマテリアル」と変わったが
 16巻では「最高位存在(ビヨンド・クラスファー)アマテラス」となっている。
 16巻239頁でカレンが「クラスファー(大雲上)様」とMHからGTMに世界を変えたと言っていた。

・ちなみに元ネタはキューブリック監督のSF映画「2001年宇宙の旅」の原作者、
 アーサー・C・クラークのSF小説「幼年期の終わり」に出てくる「オーバーマインド」。
 他にも「オーバーロード」、カレンの名前の元ネタ「カレルレン」が出てくる。
 この知的生命体の精神集合存在という概念は後のSF作品に強い影響を与えている。

・話が逸れたが今巻でチャンダナはバランシェ系ファティマの情報統合を実行して
 「完全情報共有体 オーバー・マインド」となるが生体エネルギーを消費して長い眠りについた。
 この状態になると全世界の全ての電子機器を一瞬で制御下における。
 (ただし対抗して防御するファティマが搭載されているGTMや兵器は無理。)

・「カレン ファーストイメージ」のイラストは過去に描かれた永野版Zガンダムの「ハマーン・カーン」。
 「炎の魔女(82年)」のイラストは「永野護デザイン展」で追加展示されているが
 これは3巻175頁でムグミカが語った「五つの星の物語」のイメージと同じ。

・6話も終盤戦で作者は7話のことで頭がいっぱいみたいだ。
 19巻分の連載も終盤に入って「44分間の奇蹟」が描かれるのは20巻辺りだろうか。
 作者には健康に気を付けてこの連載ペースで頑張ってほしい。

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